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AN-02:一般的なX線管の故障モード
一般的なX線管の故障モード
AN-02
はじめに
X線管は、医療、検査、科学分野で役立つX線放射で、実績があり、コスト効率の高い方法です。この100年間で、X線管は新しい用途、材質、処理装置、設計により、高度化しています。現在は、次に示す2種類の管で占められています: 主に医療目的で使用される25キロボルト(kV)から150 kVの回転式陽極管、そして検査業界で使用される25 kVから400 kV、さらに一部のものは100万ボルトレベルの固定式陽極管です。固定式陽極管は、通常1~20ミリアンペアでほぼ連続稼働で動作し、 一度に何時間もオンのままにできます。回転式陽極管は、1000ミリアンペアを超えて動作しますが、およそ1ミリ秒から10秒のパルスモードで主に使用されます。
X線の発生では、エネルギーの1%未満が有用なX線を生み出し、残りの99%は熱に変換されます。この要因でX線管の耐用寿命は制限されます。高品質の製品を生産するには、多くの科学的専門分野を必要で、これらが管理されなければなりません。こうした分野には熱力学、熱伝達、材料科学、真空技術、高電圧、エレクトロニクス、原子/放射線分野、製造プロセスが含まれ、この他にも重要な細かい技術が数多く含まれます。X線管とジェネレーターの統合と制御は、期待される技術的結果と長い管寿命を実現するために極めて重要です。
1.通常の老化
a) 通常のフィラメント焼損
b) フィラメント焼損の加速
c) 遅い漏れ
d) 無活動
e) ガラスのクレージング
f) アーキング
g) ターゲットの微少亀裂
h) 事故での破損
i) ベアリング
2.製造上の欠陥
a) 差し迫った故障
i) ふるい落としテスト
ii) ホールド期間
iii) 不適切な材料
iv) プロセス不具合
b) 潜在的な不具合
i) プロセスの最適化
ii) プロセスに対する不十分な理解/理解不足
iii) 故障解析/追跡できない原因
3.用途の不一致
4.電源による不適切な駆動
a) 電源インピーダンス
b) DC/ACフィラメント
c) 高周波
d) 回転速度/ブレーキ
e) フィラメントブースト
f) 論理回路
g) フィラメントリミット/フィラメントプレヒート設定
5.管筐体の考慮事項
a) 絶縁(オイル)漏れ
b) 過熱
c) 周囲温度
d) ハウジングの姿勢
e) ケーブル/アース接続
f) 絶縁体膨張要件
g) 定格の統制
1.通常の老化。
X線管は、使用される特性と材料が徐々に劣化を始めて消耗されることで老化し、そのため性能が徐々に低下して、最終的には満足に機能しなくなります。
a.通常のフィラメント焼損: X線管の電子ビームは、タングステンフィラメントによって供給されるもので、このフィラメントは電子管の発明以来使用されており、白熱電球にも使用されています。その他の放射体(ディスペンサーカソード、ランタンと六ほう化セリウム、トリウムとレニウムドープタングステン)も試されてきましたが、今でも純粋のタングステンが最善のフィラメント材料です。このフィラメントは、螺旋状に巻かれたワイヤーで作られており、集束素子として機能するカップに挿入されて必要な矩形電子ビームを形成します。この螺旋は、フィラメントを強化する役割があり、広い表面エリアを提供して電子放射を最大限にします。
タングステン線は、簡単に入手可能であり、使用可能な形態に処理されます。このワイヤーは比較的強くて丈夫であり、振動や衝撃などのストレスが管理されている場合にはその形状を維持します。X線管メーカーは、再結晶と呼ばれるプロセスでフィラメントの安定化と強化を行います。これは、元々繊維状のワイヤー微細構造を、長さと直径の比が3から6の範囲となる結晶構造のものに変化させます。再結晶は、ワイヤーを数秒以内に摂氏2600度程度まで非常に高速で加熱し、非常に短時間その状態を保持することで達成されます。
フィラメントに共通のパラメーターはフィラメント寿命です。高温のタングステンがその表面からゆっくりと蒸発するとき、温度が高いほど蒸発の速度が大きくなります。理想的な場合、タングステンは均一に蒸発しますが、実際には結晶粒界でホットスポットの形成が始まり、これは「ノッチ」として目視確認できます。ホットスポットは、タングステンをより速く蒸発させるので、こうした部分でワイヤーが細くなり、最終的には燃えて断線します。フィラメント温度が高いほど、時間経過でタングステン粒の成長が大きくなり、ノッチングの進みも速くなります。さらには、高い突入電流が冷温のフィラメントに流れると、細いスポットは過熱して焼損が加速します。
フィラメント寿命については、ワイヤー質量が約10%低減すると寿命の終わりであると考慮されます。これは、ワイヤー径の5.13%低減を示し、フィラメントはその寿命の約98%に到達していることを示します。(Tungsten Filament Life Under Constant-Current Heating, A. Wilson, Journal of Applied Physics, vol. 40 No. 4 Pg. 1956, 15 March 1969)(この参照文献には、直流条件下で動作するノッチ入りフィラメント、および交流条件下で動作するノッチなしのワイヤーの良好な写真もあります。) 直径で多くのメーカーでは5~6%の低減が寿命の終わりとして考慮されます。
b. フィラメント焼損の加速: X線管特性は、管電流、管電圧、アノードとカソードの間隔、ターゲット角、焦点サイズ(電子ビームサイズ)を含む複数の因子による影響を受けます。焦点サイズは、ワイヤーの表面積、螺旋ピッチ(インチ当たりの巻き数)、螺旋直径/長さ、焦点カップ内でのフィラメントの状態、カップ自体の形状による影響を受けます。アノードからカソードの高電圧およびフィラメント電流(温度)のみが管の放射を決定します。この放射は、リチャードソン=ダッシュマンの式によって支配されるもので、フィラメント温度に強く依存し、温度が高いほど放射が大きくなります。
固定電圧で管から要求される管電流が増える場合、または管が低い電圧で動作している状態で要求される管電流が増える場合、管のフィラメントは高温になります。たとえば、固定式陽極管に対して2つの場合を比較します。まずは160 kV @ 1ミリアンペア(mA)で動作している管を5 mAと比較します。この管では、絶対温度約2086度で動作するようにフィラメントが計算されて、対して5 mAでは絶対温度2260度です。174度の増加は、1 mAと比較して5mA動作では蒸発速度は21倍となります。(“The Rates of Evaporation and the Vapor Pressure of Tungsten…”, Jones and Mackay, Physical Review, Vol.XX No. 2, August 1927)次に、40 kV @ 5 mAで動作する同じ管を160 kV、1 mAと比較する場合、温度はそれぞれ2300 Kと2086 Kであり、約43倍寿命が短くなります。興味深いことに、管電圧を下げた場合に低い管電流で比較的小さな寿命の低減が見られます。たとえば、160 kV対40 kVで両方が1 mAの場合に寿命がわずか1.3倍短くなり、160kV対40kVで両方が5 mAの場合には2.1倍で短くなります。
まとめ:
160 kV@5 mA 対 160 kV@1 mA フィラメント寿命21分の1
40 kV@5 mA 対 160 kV@1 mA フィラメント寿命43分の1
40 kV@1 mA 対 160 kV@1 mA フィラメント寿命1.3分の1
40 kV@5 mA 対 160 kV@5 mA フィラメント寿命2.1分の1
これは、管電流の増加(フィラメント温度の増加で生じる)が管電圧の変化よりもはるかに重要であることを示します。個々の管タイプ、さらには同じタイプの個々の管では、これらの例とは異なります。
焼損によるフィラメントの故障は、高い動作温度で生じます。温度が高いほど、フィラメントがすぐに燃えて断線します。タングステンは、フィラメントの表面から蒸発しますが、不均質に進むため、ホットスポットが生まれて、そこから急速に蒸発します。ホットスポットは、タングステン結晶面で発生し、異なる結晶面において蒸発速度が異なります。フィラメントの温度が高いほど、そしてその動作時間が長いほど、結晶の成長が大きくなります。長寿命は、ワイヤーの軸に沿って結晶を長細くし、できる限り温度を低く保つことで達成されます。
c.遅い漏れ: X線管が機能するには高真空が必要です。ガラス・金属間のシールと金属でのろう付け接合部は、始めは適切でも、疲労が始まり、微量のガスの侵入が始まることがあり、徐々にガス圧が高まります。管の性能は、材料の蒸発と高電圧アークオーバー(ガス圧上昇に起因する可能性あり)による影響を受け始めます。
d. 無活動: 運用しない状態では、管真空内のガスが増えて、表面に沿って流動します。フィラメントに給電されて高電圧が印可される場合、特に動作電圧上昇時にアークオーバーが発生する可能性があります。ほとんどのメーカーは、その無活動期間に応じてウォームアップ手順を推奨します。これは必然的にほとんどのものに当てはまる手順ですが、単一の手順がすべてに当てはまらない場合があります。ある場合には、シーズニングと呼ばれる電力や電圧を高くした長時間動作を追加する必要性があり、管の動作を助けます。これでも機能が不十分であるか、まったく機能しない場合、管を交換する必要があります。
e.ガラスのクレージング: ほとんどの管は、真空壁容器がガラス製ですが、このガラスは漏れ電流とアークオーバーから管電極(カソード、アノード、アース)を絶縁する役割も担います。時間経過と使用因子に応じて、アノードとフィラメントの金属(タングステン)がガラス面上に蒸発を始めて、最終的にはアークオーバーと管の故障を生じます。
アーキングは、蒸発した物質を攪乱し、ガラス絶縁体を食刻し始める可能性があります。この状況は、しばしば「クレージング」または「エッチング」と呼ばれます。
蒸発の影響を緩和するため、さまざまな方法が使用されており、これにはガラスのサンドブラスト(絶縁経路を増やす)、固定式陽極管にはフード付きアノードの使用(フードまたはシュラウドがガラスへのターゲット蒸発を低減する)、金属中央真空壁(回転式陽極管と一部の固定式陽極管のガラスへのフィラメント蒸着を低減する)、およびセラミックの使用などがあります。これらの技術は、金属蒸発をなくしはしませんが、ガラスとセラミック絶縁面への付着を大幅に低減するので、アークオーバーが生じる傾向を先送りできます。これらの技術は、その他の望ましくない効果を生じる可能性があり、たとえばガラスのサンドブラストはガラス粒子を生じてアークオーバーの原因となる可能性があります。
f.アーキング: アーキングは、すべての高電圧システムにおける共通の問題です。いくつかの原因は上で言及されています: 真空における高いガスレベル、絶縁体表面上に蒸着した導体金属、絶縁体のクレージングまたはエッチング(これによりガス圧が高くなるか、または絶縁体が高電圧を絶縁する能力を低減する)。その他の原因は、小さな絶縁体や金属の粒子などであり、こうした粒子は動作により発生するか、または絶縁体上の管発生ガスと導体フィルム内で生成される可能性があります。これらの粒子は
小さいながらも集束した電子ビームを発生してアークの発生源となります。
g.ターゲットの微小亀裂: 管に電力が供給されると、電子ビームがターゲットに当たり、このビーム下の温度が急速に上昇します。固定式陽極管の場合、電力と温度は比較的低く、1分よりもずっと短時間で平衡温度に到達します。タングステンターゲット面は、タングステンの溶融温度(摂氏約3400度)まで簡単に到達できますが、タングステンディスクがその銅ベースから離れないように摂氏約400度(華氏750度)に制限されています。ターゲット面の温度上昇は応力の原因となり、ターゲット面で微小亀裂を生むことがあります。時間経過とオン/オフの繰り返しにより、これらの亀裂が成長し、ビーム電子の一部が亀裂に入り込むことで、結果的なX線放射が変わります。タングステンは亀裂からの放射の一部を吸収し、放射線強度が低減されてX線のエネルギーが強くなります(エネルギー線を増高させる)。低い電力と小さなターゲット角で管を動作させてもこの傾向が低減します。
電力性能を固定式陽極よりも1000倍まで高くできる回転式陽極管の場合、ターゲットの微小亀裂ははるかに深刻であり、その影響は大きくなります。回転式陽極のターゲット焦点の温度は、摂氏2800度(華氏5000度を超える)に到達する可能性があります。放射線低減に対する露光回数は、しばしば「ラジエーションフォールオフ」 と呼ばれます。微小亀裂は、高電力で露光時間を短くするのではなく、必要最低限の電力、できる限り大きな焦点、そして電力を低減した長めの露光を使用することで低減されます。こうした条件は、固定式陽極管にも適用できます。微小亀裂は、熱伝達を悪くし、焦点の温度が高くなり、ガラスへのタングステンターゲット蒸着が増加します。
h.事故での破損: 頻度の高い故障原因ではありませんが、事故での破損は設置と運用中に推奨プロトコルに従わないことで生じる可能性があります。誤解、不慣れ、思い込みが事故的な破損の原因になる可能性があります。次のような大工の格言が当てはまります: measure once, cut twice; measure twice, cut once(一度しか測らないと二度切ることになり、二度測れば一度切るだけで済む)X線管の場合、チェックしてから、もう一度チェックします。
i.ベアリング: 回転式陽極ベアリングの故障が問題になる場合があります。すべての機械システムは摩耗し、機能しなくなるため、長寿命を達成することが秘訣です。高温と高速がベアリング寿命を最も低減させます。運用において、潤滑剤(通常は金属の銀または鉛)がボールとレース表面から擦り減り、スチール対スチールの接触を生じてバインディングやジャミングを発生します。慎重に使用した場合、ベアリングはその他の故障メカニズムよりも通常長持ちします。固定式管よりも回転式陽極を選択する場合、放射要件と運用を詳細まで注意深く見直す必要があります。
2.製造上の欠陥。
a.即時の故障: メーカーの努力にかかわらず、すべての管をまったく同じにはできません。小さな違いは存在しますが、メーカーは、こうした違いが管の動作に決して影響を与えないようにする必要があります。
i.ふるい落としテスト: 管を生産して処理した後には、多くのテストで最終プロセスを完了しますが、より重要な点は、そのモデルに対して確立された性能規格を必ず満たすことです。管は品質テストを受ける必要があります。主なテストは高電圧安定性です。各管は、最大出力性能で動作させながら、通常の場合その最大動作電圧をさらに15%以上超過する高電圧を受けます。こうした処理によりガスと粒子を除去し、高電圧での動作のため未使用の表面をシーズニングします。その後管には性能試験を行います。
最大定格電圧での動作時に指定時間枠内にアークが起きないか、または限定的であるかどうか高電圧安定性をチェックします。
カソード放射、フィラメントのボルト・アンペア特性、焦点サイズ、熱負荷、その他の関連特性がテスト・測定されます。回転式陽極の場合、ローターとベアリング性能を評価するため、雑音、振動、コースト時間などの追加テストが実施されます。仕様に適合しない管は、不合格として廃棄されますが、問題の原因を見つけ出すために分析もされて、製造プロセスを是正できるようにします。
ii.ホールド期間: テストで満足な結果を得ても、管を2~4週間保管した場合、特に高電圧条件で十分に動作しないことがあります。性能の変化は通常、普通の手段では検出できない微量の真空漏れに起因し、これが良好な(高電圧)性能を妨げるガスを生じます。通常の熱サイクルでも漏れを誘引することや、空隙が開いて有害なガスを生じさせることがあります。こうした性能劣化は希に発生し、ある場合には長めのアイドルや通常の在庫回転時間がさらなる故障を露呈させる場合があります。
iii.不適切な材料: 近代的な材料には、無酸素銅、膨張制御コバルト合金、レニウム注入タングステン、高熱間強度合金、真空グレードグラファイト、高温ろう付けがあり、セラミックと工業用ガラスが大幅に改善された管性能を備えます。こうした改善があるため、これらの材料品質やその他のものを保証するには、高レベルの品質保証が必要です。供給業者の品質を保証するため、テストやコンプライアンス証明がしばしば使用されます。こうした努力にもかかわらず、規格を満たさない材料が製造プロセスに忍び込む可能性があります。良い例は無酸素銅帯であり、押し出した場合にストリンガを含む可能性があり、真空漏れの原因になります。コスト負担の大きい鍛造プレートとバールを使用する必要があります。通常、こうした欠陥は社内で見つかり、お客様には見えない部分です。
iv.プロセス不具合: 新しいプロセスには、真空再溶解金属、ターボ分子真空ポンプ、高温真空処理、高温水素ガス焼成、真空ろう付け、電解研磨などがあり、これらもX線性能を改善します。自動化は、製品の一貫性改善を保証するために役立ちます。しかしながら、使用されるこれらのプロセス/装置に不具合が起きるか、制御が失われると、良好に調整されたプロセスが簡単に不能となり、管の性能に余裕がないか、または廃棄品になる可能性があります。
b. 潜在的な不具合: やがて起きる潜在的または予期しない不具合は、しばしば予見できず、時として既知の原因に帰属しない場合があります。
i.プロセスの最適化: 管とそれらのパーツで使用される多くのプロセスは、長い年月と実用上の経験を経て進化しています。非常に明らかな反証がない限り、メーカーは未知の結果を恐れてプロセス変更に率先して挑むことはありません。たとえば、背面にグラファイトディスクがろう付けされたアノードを備える回転式陽極管は、組み立て前にガスを抜く必要があります。温度が高すぎる場合、ろう付けへとその境界への損傷が発生
する可能性がありますが、温度が低すぎると、適切なガス抜きに影響する場合があります。固定陽極では、アノードの高温がガス抜きに役立ちますが、どのくらいの時間、どの程度の高温にすると(隠れた)損傷が起きるのでしょうか?ガス抜き、真空ポンピング、シーズニングなど、多くのプロセスがこのカテゴリーに該当します。慎重すぎると、性能が不十分となるリスクがあり、やりすぎると、破損するリスクがあります。適切な妥協点を見つけるのは困難であり、プロセスがうまく行っていれば多くの場合そのままにしておくのが最善です。
ii.プロセスに対する不十分な理解/理解不足: 一部の不具合は、よく分からない影響によるか、またはさまざまなプロセスの副作用が不明であることが原因です。なぜ絶縁オイルは暗色になることや、異物が混入していることがありますが、それでも管の動作は問題ないのでしょうか?またシステムではアーキングが起きているシステムもありますが、管と冷却オイル、周辺部の様子とテストは問題ありません。回転式陽極のボールベアリングの潤滑剤は、しっかりプロセスが理解されていない良い例です。通常、潤滑剤は鉛か銀であり、化学的または物理的な蒸着法でメッキされており、初めから斑模様であまり一様ではありません。より均一に潤滑剤を行き渡らせるには管を動作させる必要があります。平均厚みも重要です。薄すぎるとベアリング寿命に影響し、厚すぎると管の動作が荒くなり、しばしば詰まります。過去の結果と試行錯誤がプロセス形成を導きますが、物理的な理由はまだよく理解されていません。
iii.故障解析/追跡できない原因: 故障解析は故障の原因を解明でき、潜在的または即時の障害を見つけ出すためにメーカーが使用する重要なプロセスです。時として問題は明白なこともある一方、根本原因を解明するためにたくさんの解析とテストが必要なこともあります。故障解析に関与した人であれば、多大な努力に関わらず、多くの場合には根本原因が見つけられないことを知っています。不具合が明確な証拠を破壊してしまうか、あるいは故障解析中の分解で証拠を失うかのどちらかです。また、確定的な結論を出すのに十分な証拠が見つからない場合もあります。しばしば取られる最善策は、原因の外挿です。
比較的寿命の長い管に共通する故障はアーキングです。アーキングの最も一般的に証明されている原因は、高い残留ガス圧、絶縁体の劣化、スプリアス電子放射(一般には「電界放出」と呼ばれる)です。最初の2つの項目は先に言及しました。電界放出の場合、微小粒子(金属導体と非金属絶縁体の両方)が小さな電流(通常はナノアンペア程度)を生じて、単純に非常に高い電界により放出されます。こうしたビーム状に放射する微小電流は、ある特定の条件で絶縁体を帯電させてから放電し、アークを誘導します。この帯電は、絶縁体に刺し傷を生じる故障の原因にもなり、これが絶縁体の微小な穴となって、真空を失う原因になります。あるいは、粒子が離れて加速する可能性があり、電界において高エネルギーを受け、衝撃の際にバーストしてアークを誘導します。この衝撃は、しばしば衝撃デブリの形態で二次的な破損の原因となり、こうしたデブリがさらなる電界放出を引き起こします。
メーカーは、微粒子を低減する努力として清浄度を強調しており、通常はクリーンルームで管を組み立て、超音波洗浄や電解研磨といった各種プロセスを利用して粒子を除去します。こうした努力にもかかわらず、小さな微粒子が管に侵入します。微粒子を低減するには、すべての新しい管に「シーズニング」するか、その最大動作電圧の約25%までの高電圧動作を実施して管の無活動な部分まで微粒子を焼き切りまたは除去します。冷温条件での管のシーズニングは、効果がわずかであるため、特定の熱プロトコルを通じて管を動作させる必要があり、その多くが実現可能です。こうしたシーズニングのスケジュールにはかなりの実験と評価が積み重ねられていますが、必ずしも完全ではありません。決してアークを生じない管を得ることは極めて困難です。
3.用途の不一致。
当初のマンモグラフィーは、初期の管不整合の良い例であり、このときはマンモグラムの生成に標準診断管が使用されていました。診断成果はかなり悪く、放射線熱傷がしばしば生じました。数年が経過してモリブデン放射が電圧約30 kVで非常に小さな焦点になることが分かり、これを特別に取り付けた管が設計されて、その分析は乳癌の早期診断の提供において非常に効果的でした。新しい管は、これらの要件を満たすように設計されて、今日では最も重要な早期検出のためのゴールドスタンダードです。
a.低kV/高mA放射: 一般的な不一致は、高電圧使用のために設計された管を低電圧(典型的には最大の半分以下)で使用する場合に起きることがあり、限られた放射を克服するため高い電流でフィラメントを動かす必要があります。125 kV、300 mAで動作させる特定の回転式陽極管では、放電が50 kV、300 mAまでである場合、低い管電圧を補償するためフィラメントが16 %大きな電力で動作する必要があります。フィラメントは温度の4乗(T⁴)に比例した放射で冷却するため、16%の上昇はフィラメント温度のわずか3.8%増加を意味します。これは小さくも見えますが、タングステンはこの高い電力において約3倍の速さで蒸発し、結果としてこの場合には約3倍の速さでフィラメント寿命が短くなります。管を50 kVにおいてさらに高い管電流(この場合には>300 mA)で動作する場合、フィラメント電流を増加しなければならず、フィラメント寿命がさらに短くなります。メーカーでは、特に売り上げの少ない特注品の生産にはあまり積極的でないため、こうした不一致をしばしば受け入れなければなりません。
b. 温度/寿命: X線管の基本的なルールは、温度が敵だということです。電力を加えるほど、管寿命が短くなります。しかしながら、適切な電力がなければ、作業を遂行するのに十分なX線強度が得られません。フィラメント蒸着が望ましくない金属の付着を生じて、最終的には絶縁体のアークオーバーを発生させます。ターゲットを高温で動作させると、ターゲット蒸発に至るだけでなく、微小亀裂が原因でエネルギー分布と強度の面でも放射線品質が変化し始めて低下します。
管の動作中は熱機械的応力が生じます。ガラス・金属間のシールは加熱されると応力を受け、その熱が大きいほど、温度が高くなり、高い応力を生じることになります。究極的には、壊れて微粒子が生じるか、ガラスに細かい亀裂ができて、放射線の通過に伴い増加します。熱サイクルがあるため、機械的疲労が常に存在し、サイクルが多くなるほど、疲労が速く進行します。電力が大きくなると、温度が高くなり、疲労を加速します。使用可能な最低電力でX線管を動作させると、寿命が延びます。
4.電源による不適切な駆動。
X線源では、電源が必要なすべての電力を提供して管を動作させ、これにはフィラメントや、多くの場合には回転式陽極のローター電源も含みます。加えて、この電源はシステムによって使用されるロジックとインターロックを備えます。そのため、電源はX線源の必要不可欠な部分であり、両方が呼応して機能します。
a.電源インピーダンス: 電源で最も重要な特性の1つは、そのインピーダンスです。数百ワットで動作する固定式陽極管の場合、インピーダンスは高く、すなわち、たくさんの抵抗を含んでおり、アークの場合に管および敏感なエレクトロニクスへの損傷を最小限に抑えます。アークは通常、そのアークを支える電圧が低減されると消えてしまいます。アークの電流が高電圧抵抗を通過する場合、抵抗全体の電圧が増加し、これにより管の電圧および高電圧回路のその他の部品の電圧が低減します。管のガス圧が非常に高くアークを持続させてしまう場合、このインピーダンスが電源と関連エレクトロニクスも保護します。そのガスレベルが高くなりすぎた場合、管に対してその性能を改善する手立てはありません。
残念ながら、インピーダンスが高いと、粒子や電界放出、光蒸発が原因でアーキングが始まる場合、その原因を解消または蒸発させるだけの十分なエネルギーが保存されていないために、アーキングが継続することが多くあります。
回転式陽極管は、時として100キロワットを超える非常に高い電力条件、すなわち固定式陽極管のほぼ1000倍で動作します。この状況では、必要な電力を供給するために電源は高インピーダンスにはできません。これらの場合、保存されたエネルギーを通常10ジュール未満に制限する必要がしばしばあります。高電圧ケーブルと倍電圧コンデンサは、こうしたエネルギーを保存し、アークで管を破損する可能性があります。10ジュールは固定値ではなく、一部の管はより大きなエネルギーを蓄えた状態でも満足に動作するため、あくまでも目安であり、これより小さなエネルギーで動作しないものもあります。容量は、エネルギーが電圧の二乗に比例するため、高電圧ではかなり問題になります。
b. DC/ACフィラメント: 通常の場合、フィラメントは交流電圧/電流条件で動作します。これには3つの基本的理由があります。第一に、交流電流(AC)の制御と供給は昔から容易でした。第二に、直流(DC)を使用すると結晶粒が成長する傾向があり、時間経過でフィラメントが脆く壊れやすくなり、早期に焼損して断線します。そして最後に同じく大事な点は、DC条件の場合、フィラメントの一端に小さな固定電位が存在し、これはフィラメントの動作電位と等しく、集束カップに対してわずかにバイアスをかけて焦点を歪める可能性があります。この影響は、焦点が小さく、放射条件が高いほど、顕著になります。ACでは、こうしたバイアスがフィラメントの両端で入れ替わるので、かき消されます。
フィラメントが直流で加熱される場合、特に薄いフィラメントでノッチング現象が発生します。この場合、いくらかのタングステンイオンが蒸発したタングステン原子から形成されて、フィラメントのマイナス端に引き付けられて付着し、一連の「ノッチ」を形成します。これらのノッチは、フィラメントのその他のセクションよりも細く、ホットスポットを生じて蒸発が大きくなり、最終的には焼損します。ACでなくDCで動作することで、2から10倍のフィラメント寿命低減が報告されています。DCフィラメントを使用する近代的な電源は、高周波コンバーターからこれを駆動します。これらの条件では、数10kHzクラスの低振幅高周波リップルがフィラメント信号に存在してノッチングの影響を最小限に抑えます。

c.高周波: 管のガラス金属シールは、コバール製か、または鉄、ニッケル、コバルト(これらすべてが高磁性)からなる同様の合金製です。シールは、フィラメント電流を運ぶフィードスルーを備えます。高周波では、磁性材料が磁気ヒステリシス、渦電流、表皮効果を生じて、電流フローからエネルギーを奪い取ります。この現象での損失を克服するため、非磁性材料と比較して、より大きな電流を電源が送り出す必要があります。周波数が高くなるほど、損失が大きくなります。電力損失は、フィードスルーを加熱し、シールでの機械的応力の影響は、あまりよく理解されていません。現在は、最大40 kHzまでの周波数が使用されています。カソードとアノードには、高周波数、高電圧電源が使用されますが、これらはDCに整流されます。
d. 回転速度/ブレーキ: 回転式管の場合、ベアリング寿命とフィラメント蒸発は、管寿命の大きな考慮点です。露光が要求されると、ステーター電力が加わり、管のアノードが回転速度(回転/分)まで上がります。こうした最小速度は、メーカーが指定するもので、同期速度は昔から商用電源周波数に基づいて次の4つの値があります: 60ヘルツの場合は最大速度3600 rpmまたは3倍速の10800、50ヘルツの場合は3000 rpmまたは3倍速の9000です。これらの速度は、普通のシングル周波数とトリプル周波数のそれぞれに対して「低速」または「高速」と通常は呼ばれます。実用上、ローターはベアリングに摩擦があるため、この速度に到達することは決してなく、ステーターとローターとの間の磁気結合は完全でないため、速度が低減します。実際、ステーター/ローターシステムは、商用モーター(通常は90%を超える)と比較して約10%の効率しかありません。これらの理由から、メーカーは、一般的に最小速度(通常は3000、9500、2800、8500)を指定するか、同期速度からのスリップを許容する同様の値を指定します。
露光が開始されると、ステーター電力が指定時間加えられて最小速度に到達し、この電力はアノードの慣性モーメント、(蓄熱容量に対して非常におおまかに比例する)、ステーターへの印可電圧、印可電圧の周波数(高速または低速)に依存します。通常、このローター「ブースト」時間は1.5~6秒であるか、それ以上です。このブースト適用後、ステーターは「ラン」モードに入り、ここでは低減した電圧(通常は80~100ボルト)が連続的に印可されて最小速度を維持します。多くの場合、最小速度に合わせるためのブースト時間調整はインストーラーに任せますが、実際に実現させるには実施上の問題が生じる可能性があります。リードタコメーターと同期ストロボライトが回転速度を測定できます。アノードの熱状態を考慮する必要があり、高温のアノードは摩擦が増えて、磁気結合が低下するので、冷温のアノードよりも速度が低くなります。露光が実施されると、ステーターの巻き線1つにのみ電圧を印可して、ローター速度が低減またはブレーキされます。
ブレーキは、ベアリングの回転を素早く下げるために行われますが、ローター共振を素早く通り抜けるためにも同じく重要です。すべてのローターには固有振動周波数があり、このポイントでローター/アノードは著しく振動する可能性があります。この共振速度を素早く通り抜けて損傷の影響を最小限にするため、ブレーキ電圧が印可されます。典型的な共振周波数は、約4000~5000 rpm(65~80 Hz)であり、高速動作後のブレーキが特に重要です。通常の短いフィラメントブーストと長いローター速度時間を考えた場合、X線システムのイベントシーケンスは次のようになります: 露光の要求、ステーターブーストの適用、フィラメントブーストの適用、高電圧パルス露光の適用、フィラメントをアイドルまで低減、アノード速度のブレーキ。近代的な電源は、これらの時間シーケンスすべてに対する調整を備えています。
e.フィラメントブースト: X線管がX線を生成していないとき(カソードとアノードへの高電圧印可がない場合)、そのフィラメントはいわゆるアイドル(プレヒート)モードにあります。電流は流れていますが、放射点未満で管電流が引き込まれます。露光が必要な場合は、いつでもフィラメント電流を既定電流まで「ブースト」することで、高電圧が管に印可された際にある特定の管電流を流すことができます。X線が必要でなくなった場合、高電圧がオフになり、フィラメントはそのアイドル電流に戻ります。
典型的なフィラメントブースト時間の範囲は、約0.5~1秒です。この技術は、管電流が高い回転式陽極管にとって特に重要であり、X線が必要なときだけに動作させて、フィラメント寿命を守ります。フィラメントアイドル電流は、フィラメントからの蒸発が非常に小さくなるように選択され、高放射に必要なフィラメント電流の数分の一にすることでアイドル時の蒸発を最小限にします。管電流が十分に低い場合、いくつかの固定式陽極管はまったくブーストされず、フィラメントは、無電力状態からが引き上げられる場合があります。連続パルス状態のシステムでは、パルス繰り返しレートが高い場合、次のパルスが来る前にフィラメントをブーストする充分な時間がパルス間にないため、蒸発が問題となることがあります。通常、こうした場合には、すべてのパルスが終わるまでフィラメントがブーストモードで動作されます。近代的な電源は、これらの時間シーケンスのすべてに対する調整を備えています。
f.論理回路: 先の説明で分かるように、論理シーケンスとそれらの性能が極めて重要です。何も悪い要素がない場合、論理システムの機能と信頼性が重要と考えられるその他のシステム(インターロック、画像処理シーケンス、放射線透過写真オブジェクト要件、およびその他のシステム要件)を追加してください。
時として管のアーキングは電流サージまたは高電圧の中断によって始まる過渡電流を起こす可能性があり、ロジックへの回路故障を生じます。近代的な電源は、隔離された論理回路を備え、通常動作とアーキングにおいて敏感なエレクトロニクスを過渡電流から保護します。
g.フィラメントリミット/フィラメントプレヒート設定: フィラメントリミット調整は最も重要な設定のひとつです。このフィラメントリミットセットポイントは、フィラメント電源の最大出力電流を制限してX線管を保護します。この設定により、X線ジェネレーターはいかなる状況でもこの値を超えることが不可能になります。 X線管メーカーの仕様以下に設定する必要があります。
フィラメントリミットを最大X線管仕様未満に設定する場合、フィラメントリミットは、使用される最低kV設定で最大プログラム済み放射電流(mA)を達成するために必要なフィラメント電流よりも10~15%高くなるはずです。フィラメント最大値は放射に必要な値とは異なることに留意してください。必要な放射電流値よりも10~15%高く設定すると、ヘッドルームと優れた過渡応答特性を提供します。
フィラメントリミットレベルは、常にメーカーの推奨最大フィラメント電流仕様以下に保ってください。フィラメントスタンバイ電流(一部の製品ラインではフィラメントプレヒートと呼ばれる)は、X線スタンバイ(HVオフ/X線停止)条件中にX線管フィラメントに供給されるアイドル電流です。
このフィラメントプレヒートセットポイントは通常約1A~2Aですが、そのX線管メーカーに問い合わせてください。目安として、最大フィラメントプレヒートレベルはフィラメントリミット仕様の50%に制限してください。素早い放射電流ランピングが必要とされない場合、スタンバイ電流をゼロに設定してもまったく構いません。
5. 管筐体(ハウジング)の考慮。
X線管は、適切な筐体で囲んであらゆる方向にX線が放射されるのを防ぎ、適切な高電圧絶縁を施し、管やシステムを冷却する必要があります。独立したX線管の場合、この筐体は、ハウジング、管アセンブリまたは放射源として考えられ、電源が管と組み合わされたシステムの場合、通常はMonoblock®(スペルマン 登録商標)と呼ばれます。
a.絶縁(オイル)漏れ: すべての高電圧面からのアーキングを防ぐため、絶縁体(通常は酸化防止変圧器油)で高電圧絶縁を施す必要があります。オイル漏れの発生は、通常空気もハウジング内に漏れ込んでいることを意味し、空気が高電圧場域に入るとアークオーバーの原因になります。アーキングが続く場合、オイルの分解から生じた炭素が表面を覆い、回復できなくなります。オイルシールは、多くの場合「O」リングで作られており、Buna-Nラバーが油焼け防止剤に適しています。ネオプレンなどの一部の材料は、このオイルで膨張するため適しません。圧縮率に関するOリングメーカーからの通常の推奨率は約5~10%ですが、これは適用しません。Oリングは典型的な高ハウジング温度でセット・ルース弾性を利用しており、浸み出し始める場合があるため、約25%の圧縮率が実際には使用されます。
使用するオイルは、吸収されたガスを含んでおり、真空処理で取り除いて、ハウジング内で放出されるのを防ぐ必要があります。こうした処理は、絶縁耐力(ボルト/距離の単位で測定)を高めます。通常この値は30キロボルト/インチを超えます。考慮すべき重要な点はハウジング内で使用される材料であり、通常はプラスチック絶縁体です。これらは、可塑剤やその他の化学物質を浸出させる可能性があり、オイルに溶け込んで絶縁耐力を低下させます。温度が浸出を促進させます。ハウジングで使用する材料をテストする場合、たとえそれらの部品が新しい製造ロットであるとしても、注意を払う必要があります。
b. 過熱: 過熱は、管だけでなく、ハウジング内でもアーキングを引き起こす可能性があります。多くのシステムは、熱交換器を備えており、これはファンを利用し、一部のものはオイルを循環するポンプを利用します。これらの交換器をきれいに保つことが絶対に不可欠です。埃は大きな問題の種であり、自然な空気対流と強制(ファン)空気対流の両方を妨げます。その結果ハウジングが過熱を始めるので、保守計画を確立する必要があります。
c.周囲温度: 周囲温度は、メーカーの指定に従う必要があります。通常の周囲温度は摂氏25~30度であり、高負荷条件では、ハウジングが摂氏75度や80度まで上がる可能性があり、これが通常の限界です。したがって、温度上昇は約50度であり、周囲が指定よりも高い場合、この温度上昇が周囲温度に加わり、過熱が生じます。しばしばテストで使用されて放射線漏れを防ぐ筐体は、周囲温度が推奨温度を超える原因になることがあります。また、装置を「保護」するために使用するプラスチックや布のカバーもよく見られますが、対流する空気の流れを妨げるばかりで、過熱を簡単に引き起こす可能性があります。
d. ハウジングの姿勢: 管のハウジングは、熱交換機のありなしにかかわらず、一番上の部分が熱くなり、底の部分は熱くなりません。これは、絶縁冷却オイルが強い対流を生じて、タバコからの煙のように上昇し、熱をハウジングの一番上まで運ぶからです。動作に対して最善のハウジング姿勢を保つため、注意を払う必要があります。多くの場合、熱電対が高温領域を特定・判別できますが、正確な測定には良好な熱的接触が必要です。
e.ケーブル/アース接続: 言うまでもありませんが、良好な電気的接続が必要です。特に接地は、その他の接続(ステーター、過熱スイッチ、高電圧ケーブルなど)と同様に重要です。擦り切れた接点やワイヤーのないしっかりとしたねじ込み接続が必要です。高電圧ケーブルの接続は特に重要で、空気が入っていると、高電場領域でイオン化して絶縁体をアークが通り抜けてしまいます。通常は、高電圧グリースを使用して空気をシール遮断し、表面間が密接に接触するようにします。いったんアークの跡が残り始めると、修復は不可能です。ケーブル絶縁体の取り付けに関するメーカーの推奨事項には厳密に従ってください。
f.絶縁体膨張: オイルが加熱された場合、すべての材料がそうであるように、その体積は膨張します。X線システムは、この膨張を許容する十分な体積が必要です。冷温側では、システムが出荷されるとき、収縮分の体積を許容する必要があります。通常、膨張と収縮は、全体の体積変化を許容する柔軟な隔膜を使用して達成されます。良い設計には安全係数が入っており、これは大きいほど良いことになります。25%以上の安全係数が良好です。同じく大事なことは、膨張による偏位での中立点の設定です。隔膜は、発生する膨張と収縮を許容するによう設定される必要があります。これらの係数は、設計とメーカーの要件です。
g.定格の統制: 管の動作に関して最も重要な考慮点の1つは、公表された定格内で動作させることです。熟知し、計画することが重要なポイントです。長期的な過熱が過度にならないように高電圧とフィラメント電力を見直す必要があり、アノードの短期的な過電力が焦点の溶解を生じる可能性があります。配慮と注意が大切です。無理のない熱交換器の動作も同じく重要です。回転式陽極管にも同じことが言えますが、加えて適切な回転を保証する必要があります。個々の露光定格は、適切な焦点の励起、正しい速度チャートの使用、高電圧の観測、適切なパルス時間の選択を確保するために重要です。これらのチャートは、過熱を防止するため、フィラメント放射およびボルト・アンペア特性と整合させる必要があります。チャートの取り違えや読み間違いが、非常に簡単に発生します。二重のチェックを欠かさないでください。
アプリケーションノート - X線発生装置
AN-02:一般的なX線管の故障モード
一般的なX線管の故障モード
AN-02
はじめに
X線管は、医療、検査、科学分野で役立つX線放射で、実績があり、コスト効率の高い方法です。この100年間で、X線管は新しい用途、材質、処理装置、設計により、高度化しています。現在は、次に示す2種類の管で占められています: 主に医療目的で使用される25キロボルト(kV)から150 kVの回転式陽極管、そして検査業界で使用される25 kVから400 kV、さらに一部のものは100万ボルトレベルの固定式陽極管です。固定式陽極管は、通常1~20ミリアンペアでほぼ連続稼働で動作し、 一度に何時間もオンのままにできます。回転式陽極管は、1000ミリアンペアを超えて動作しますが、およそ1ミリ秒から10秒のパルスモードで主に使用されます。
X線の発生では、エネルギーの1%未満が有用なX線を生み出し、残りの99%は熱に変換されます。この要因でX線管の耐用寿命は制限されます。高品質の製品を生産するには、多くの科学的専門分野を必要で、これらが管理されなければなりません。こうした分野には熱力学、熱伝達、材料科学、真空技術、高電圧、エレクトロニクス、原子/放射線分野、製造プロセスが含まれ、この他にも重要な細かい技術が数多く含まれます。X線管とジェネレーターの統合と制御は、期待される技術的結果と長い管寿命を実現するために極めて重要です。
1.通常の老化
a) 通常のフィラメント焼損
b) フィラメント焼損の加速
c) 遅い漏れ
d) 無活動
e) ガラスのクレージング
f) アーキング
g) ターゲットの微少亀裂
h) 事故での破損
i) ベアリング
2.製造上の欠陥
a) 差し迫った故障
i) ふるい落としテスト
ii) ホールド期間
iii) 不適切な材料
iv) プロセス不具合
b) 潜在的な不具合
i) プロセスの最適化
ii) プロセスに対する不十分な理解/理解不足
iii) 故障解析/追跡できない原因
3.用途の不一致
4.電源による不適切な駆動
a) 電源インピーダンス
b) DC/ACフィラメント
c) 高周波
d) 回転速度/ブレーキ
e) フィラメントブースト
f) 論理回路
g) フィラメントリミット/フィラメントプレヒート設定
5.管筐体の考慮事項
a) 絶縁(オイル)漏れ
b) 過熱
c) 周囲温度
d) ハウジングの姿勢
e) ケーブル/アース接続
f) 絶縁体膨張要件
g) 定格の統制
1.通常の老化。
X線管は、使用される特性と材料が徐々に劣化を始めて消耗されることで老化し、そのため性能が徐々に低下して、最終的には満足に機能しなくなります。
a.通常のフィラメント焼損: X線管の電子ビームは、タングステンフィラメントによって供給されるもので、このフィラメントは電子管の発明以来使用されており、白熱電球にも使用されています。その他の放射体(ディスペンサーカソード、ランタンと六ほう化セリウム、トリウムとレニウムドープタングステン)も試されてきましたが、今でも純粋のタングステンが最善のフィラメント材料です。このフィラメントは、螺旋状に巻かれたワイヤーで作られており、集束素子として機能するカップに挿入されて必要な矩形電子ビームを形成します。この螺旋は、フィラメントを強化する役割があり、広い表面エリアを提供して電子放射を最大限にします。
タングステン線は、簡単に入手可能であり、使用可能な形態に処理されます。このワイヤーは比較的強くて丈夫であり、振動や衝撃などのストレスが管理されている場合にはその形状を維持します。X線管メーカーは、再結晶と呼ばれるプロセスでフィラメントの安定化と強化を行います。これは、元々繊維状のワイヤー微細構造を、長さと直径の比が3から6の範囲となる結晶構造のものに変化させます。再結晶は、ワイヤーを数秒以内に摂氏2600度程度まで非常に高速で加熱し、非常に短時間その状態を保持することで達成されます。
フィラメントに共通のパラメーターはフィラメント寿命です。高温のタングステンがその表面からゆっくりと蒸発するとき、温度が高いほど蒸発の速度が大きくなります。理想的な場合、タングステンは均一に蒸発しますが、実際には結晶粒界でホットスポットの形成が始まり、これは「ノッチ」として目視確認できます。ホットスポットは、タングステンをより速く蒸発させるので、こうした部分でワイヤーが細くなり、最終的には燃えて断線します。フィラメント温度が高いほど、時間経過でタングステン粒の成長が大きくなり、ノッチングの進みも速くなります。さらには、高い突入電流が冷温のフィラメントに流れると、細いスポットは過熱して焼損が加速します。
フィラメント寿命については、ワイヤー質量が約10%低減すると寿命の終わりであると考慮されます。これは、ワイヤー径の5.13%低減を示し、フィラメントはその寿命の約98%に到達していることを示します。(Tungsten Filament Life Under Constant-Current Heating, A. Wilson, Journal of Applied Physics, vol. 40 No. 4 Pg. 1956, 15 March 1969)(この参照文献には、直流条件下で動作するノッチ入りフィラメント、および交流条件下で動作するノッチなしのワイヤーの良好な写真もあります。) 直径で多くのメーカーでは5~6%の低減が寿命の終わりとして考慮されます。
b. フィラメント焼損の加速: X線管特性は、管電流、管電圧、アノードとカソードの間隔、ターゲット角、焦点サイズ(電子ビームサイズ)を含む複数の因子による影響を受けます。焦点サイズは、ワイヤーの表面積、螺旋ピッチ(インチ当たりの巻き数)、螺旋直径/長さ、焦点カップ内でのフィラメントの状態、カップ自体の形状による影響を受けます。アノードからカソードの高電圧およびフィラメント電流(温度)のみが管の放射を決定します。この放射は、リチャードソン=ダッシュマンの式によって支配されるもので、フィラメント温度に強く依存し、温度が高いほど放射が大きくなります。
固定電圧で管から要求される管電流が増える場合、または管が低い電圧で動作している状態で要求される管電流が増える場合、管のフィラメントは高温になります。たとえば、固定式陽極管に対して2つの場合を比較します。まずは160 kV @ 1ミリアンペア(mA)で動作している管を5 mAと比較します。この管では、絶対温度約2086度で動作するようにフィラメントが計算されて、対して5 mAでは絶対温度2260度です。174度の増加は、1 mAと比較して5mA動作では蒸発速度は21倍となります。(“The Rates of Evaporation and the Vapor Pressure of Tungsten…”, Jones and Mackay, Physical Review, Vol.XX No. 2, August 1927)次に、40 kV @ 5 mAで動作する同じ管を160 kV、1 mAと比較する場合、温度はそれぞれ2300 Kと2086 Kであり、約43倍寿命が短くなります。興味深いことに、管電圧を下げた場合に低い管電流で比較的小さな寿命の低減が見られます。たとえば、160 kV対40 kVで両方が1 mAの場合に寿命がわずか1.3倍短くなり、160kV対40kVで両方が5 mAの場合には2.1倍で短くなります。
まとめ:
160 kV@5 mA 対 160 kV@1 mA フィラメント寿命21分の1
40 kV@5 mA 対 160 kV@1 mA フィラメント寿命43分の1
40 kV@1 mA 対 160 kV@1 mA フィラメント寿命1.3分の1
40 kV@5 mA 対 160 kV@5 mA フィラメント寿命2.1分の1
これは、管電流の増加(フィラメント温度の増加で生じる)が管電圧の変化よりもはるかに重要であることを示します。個々の管タイプ、さらには同じタイプの個々の管では、これらの例とは異なります。
焼損によるフィラメントの故障は、高い動作温度で生じます。温度が高いほど、フィラメントがすぐに燃えて断線します。タングステンは、フィラメントの表面から蒸発しますが、不均質に進むため、ホットスポットが生まれて、そこから急速に蒸発します。ホットスポットは、タングステン結晶面で発生し、異なる結晶面において蒸発速度が異なります。フィラメントの温度が高いほど、そしてその動作時間が長いほど、結晶の成長が大きくなります。長寿命は、ワイヤーの軸に沿って結晶を長細くし、できる限り温度を低く保つことで達成されます。
c.遅い漏れ: X線管が機能するには高真空が必要です。ガラス・金属間のシールと金属でのろう付け接合部は、始めは適切でも、疲労が始まり、微量のガスの侵入が始まることがあり、徐々にガス圧が高まります。管の性能は、材料の蒸発と高電圧アークオーバー(ガス圧上昇に起因する可能性あり)による影響を受け始めます。
d. 無活動: 運用しない状態では、管真空内のガスが増えて、表面に沿って流動します。フィラメントに給電されて高電圧が印可される場合、特に動作電圧上昇時にアークオーバーが発生する可能性があります。ほとんどのメーカーは、その無活動期間に応じてウォームアップ手順を推奨します。これは必然的にほとんどのものに当てはまる手順ですが、単一の手順がすべてに当てはまらない場合があります。ある場合には、シーズニングと呼ばれる電力や電圧を高くした長時間動作を追加する必要性があり、管の動作を助けます。これでも機能が不十分であるか、まったく機能しない場合、管を交換する必要があります。
e.ガラスのクレージング: ほとんどの管は、真空壁容器がガラス製ですが、このガラスは漏れ電流とアークオーバーから管電極(カソード、アノード、アース)を絶縁する役割も担います。時間経過と使用因子に応じて、アノードとフィラメントの金属(タングステン)がガラス面上に蒸発を始めて、最終的にはアークオーバーと管の故障を生じます。
アーキングは、蒸発した物質を攪乱し、ガラス絶縁体を食刻し始める可能性があります。この状況は、しばしば「クレージング」または「エッチング」と呼ばれます。
蒸発の影響を緩和するため、さまざまな方法が使用されており、これにはガラスのサンドブラスト(絶縁経路を増やす)、固定式陽極管にはフード付きアノードの使用(フードまたはシュラウドがガラスへのターゲット蒸発を低減する)、金属中央真空壁(回転式陽極管と一部の固定式陽極管のガラスへのフィラメント蒸着を低減する)、およびセラミックの使用などがあります。これらの技術は、金属蒸発をなくしはしませんが、ガラスとセラミック絶縁面への付着を大幅に低減するので、アークオーバーが生じる傾向を先送りできます。これらの技術は、その他の望ましくない効果を生じる可能性があり、たとえばガラスのサンドブラストはガラス粒子を生じてアークオーバーの原因となる可能性があります。
f.アーキング: アーキングは、すべての高電圧システムにおける共通の問題です。いくつかの原因は上で言及されています: 真空における高いガスレベル、絶縁体表面上に蒸着した導体金属、絶縁体のクレージングまたはエッチング(これによりガス圧が高くなるか、または絶縁体が高電圧を絶縁する能力を低減する)。その他の原因は、小さな絶縁体や金属の粒子などであり、こうした粒子は動作により発生するか、または絶縁体上の管発生ガスと導体フィルム内で生成される可能性があります。これらの粒子は
小さいながらも集束した電子ビームを発生してアークの発生源となります。
g.ターゲットの微小亀裂: 管に電力が供給されると、電子ビームがターゲットに当たり、このビーム下の温度が急速に上昇します。固定式陽極管の場合、電力と温度は比較的低く、1分よりもずっと短時間で平衡温度に到達します。タングステンターゲット面は、タングステンの溶融温度(摂氏約3400度)まで簡単に到達できますが、タングステンディスクがその銅ベースから離れないように摂氏約400度(華氏750度)に制限されています。ターゲット面の温度上昇は応力の原因となり、ターゲット面で微小亀裂を生むことがあります。時間経過とオン/オフの繰り返しにより、これらの亀裂が成長し、ビーム電子の一部が亀裂に入り込むことで、結果的なX線放射が変わります。タングステンは亀裂からの放射の一部を吸収し、放射線強度が低減されてX線のエネルギーが強くなります(エネルギー線を増高させる)。低い電力と小さなターゲット角で管を動作させてもこの傾向が低減します。
電力性能を固定式陽極よりも1000倍まで高くできる回転式陽極管の場合、ターゲットの微小亀裂ははるかに深刻であり、その影響は大きくなります。回転式陽極のターゲット焦点の温度は、摂氏2800度(華氏5000度を超える)に到達する可能性があります。放射線低減に対する露光回数は、しばしば「ラジエーションフォールオフ」 と呼ばれます。微小亀裂は、高電力で露光時間を短くするのではなく、必要最低限の電力、できる限り大きな焦点、そして電力を低減した長めの露光を使用することで低減されます。こうした条件は、固定式陽極管にも適用できます。微小亀裂は、熱伝達を悪くし、焦点の温度が高くなり、ガラスへのタングステンターゲット蒸着が増加します。
h.事故での破損: 頻度の高い故障原因ではありませんが、事故での破損は設置と運用中に推奨プロトコルに従わないことで生じる可能性があります。誤解、不慣れ、思い込みが事故的な破損の原因になる可能性があります。次のような大工の格言が当てはまります: measure once, cut twice; measure twice, cut once(一度しか測らないと二度切ることになり、二度測れば一度切るだけで済む)X線管の場合、チェックしてから、もう一度チェックします。
i.ベアリング: 回転式陽極ベアリングの故障が問題になる場合があります。すべての機械システムは摩耗し、機能しなくなるため、長寿命を達成することが秘訣です。高温と高速がベアリング寿命を最も低減させます。運用において、潤滑剤(通常は金属の銀または鉛)がボールとレース表面から擦り減り、スチール対スチールの接触を生じてバインディングやジャミングを発生します。慎重に使用した場合、ベアリングはその他の故障メカニズムよりも通常長持ちします。固定式管よりも回転式陽極を選択する場合、放射要件と運用を詳細まで注意深く見直す必要があります。
2.製造上の欠陥。
a.即時の故障: メーカーの努力にかかわらず、すべての管をまったく同じにはできません。小さな違いは存在しますが、メーカーは、こうした違いが管の動作に決して影響を与えないようにする必要があります。
i.ふるい落としテスト: 管を生産して処理した後には、多くのテストで最終プロセスを完了しますが、より重要な点は、そのモデルに対して確立された性能規格を必ず満たすことです。管は品質テストを受ける必要があります。主なテストは高電圧安定性です。各管は、最大出力性能で動作させながら、通常の場合その最大動作電圧をさらに15%以上超過する高電圧を受けます。こうした処理によりガスと粒子を除去し、高電圧での動作のため未使用の表面をシーズニングします。その後管には性能試験を行います。
最大定格電圧での動作時に指定時間枠内にアークが起きないか、または限定的であるかどうか高電圧安定性をチェックします。
カソード放射、フィラメントのボルト・アンペア特性、焦点サイズ、熱負荷、その他の関連特性がテスト・測定されます。回転式陽極の場合、ローターとベアリング性能を評価するため、雑音、振動、コースト時間などの追加テストが実施されます。仕様に適合しない管は、不合格として廃棄されますが、問題の原因を見つけ出すために分析もされて、製造プロセスを是正できるようにします。
ii.ホールド期間: テストで満足な結果を得ても、管を2~4週間保管した場合、特に高電圧条件で十分に動作しないことがあります。性能の変化は通常、普通の手段では検出できない微量の真空漏れに起因し、これが良好な(高電圧)性能を妨げるガスを生じます。通常の熱サイクルでも漏れを誘引することや、空隙が開いて有害なガスを生じさせることがあります。こうした性能劣化は希に発生し、ある場合には長めのアイドルや通常の在庫回転時間がさらなる故障を露呈させる場合があります。
iii.不適切な材料: 近代的な材料には、無酸素銅、膨張制御コバルト合金、レニウム注入タングステン、高熱間強度合金、真空グレードグラファイト、高温ろう付けがあり、セラミックと工業用ガラスが大幅に改善された管性能を備えます。こうした改善があるため、これらの材料品質やその他のものを保証するには、高レベルの品質保証が必要です。供給業者の品質を保証するため、テストやコンプライアンス証明がしばしば使用されます。こうした努力にもかかわらず、規格を満たさない材料が製造プロセスに忍び込む可能性があります。良い例は無酸素銅帯であり、押し出した場合にストリンガを含む可能性があり、真空漏れの原因になります。コスト負担の大きい鍛造プレートとバールを使用する必要があります。通常、こうした欠陥は社内で見つかり、お客様には見えない部分です。
iv.プロセス不具合: 新しいプロセスには、真空再溶解金属、ターボ分子真空ポンプ、高温真空処理、高温水素ガス焼成、真空ろう付け、電解研磨などがあり、これらもX線性能を改善します。自動化は、製品の一貫性改善を保証するために役立ちます。しかしながら、使用されるこれらのプロセス/装置に不具合が起きるか、制御が失われると、良好に調整されたプロセスが簡単に不能となり、管の性能に余裕がないか、または廃棄品になる可能性があります。
b. 潜在的な不具合: やがて起きる潜在的または予期しない不具合は、しばしば予見できず、時として既知の原因に帰属しない場合があります。
i.プロセスの最適化: 管とそれらのパーツで使用される多くのプロセスは、長い年月と実用上の経験を経て進化しています。非常に明らかな反証がない限り、メーカーは未知の結果を恐れてプロセス変更に率先して挑むことはありません。たとえば、背面にグラファイトディスクがろう付けされたアノードを備える回転式陽極管は、組み立て前にガスを抜く必要があります。温度が高すぎる場合、ろう付けへとその境界への損傷が発生
する可能性がありますが、温度が低すぎると、適切なガス抜きに影響する場合があります。固定陽極では、アノードの高温がガス抜きに役立ちますが、どのくらいの時間、どの程度の高温にすると(隠れた)損傷が起きるのでしょうか?ガス抜き、真空ポンピング、シーズニングなど、多くのプロセスがこのカテゴリーに該当します。慎重すぎると、性能が不十分となるリスクがあり、やりすぎると、破損するリスクがあります。適切な妥協点を見つけるのは困難であり、プロセスがうまく行っていれば多くの場合そのままにしておくのが最善です。
ii.プロセスに対する不十分な理解/理解不足: 一部の不具合は、よく分からない影響によるか、またはさまざまなプロセスの副作用が不明であることが原因です。なぜ絶縁オイルは暗色になることや、異物が混入していることがありますが、それでも管の動作は問題ないのでしょうか?またシステムではアーキングが起きているシステムもありますが、管と冷却オイル、周辺部の様子とテストは問題ありません。回転式陽極のボールベアリングの潤滑剤は、しっかりプロセスが理解されていない良い例です。通常、潤滑剤は鉛か銀であり、化学的または物理的な蒸着法でメッキされており、初めから斑模様であまり一様ではありません。より均一に潤滑剤を行き渡らせるには管を動作させる必要があります。平均厚みも重要です。薄すぎるとベアリング寿命に影響し、厚すぎると管の動作が荒くなり、しばしば詰まります。過去の結果と試行錯誤がプロセス形成を導きますが、物理的な理由はまだよく理解されていません。
iii.故障解析/追跡できない原因: 故障解析は故障の原因を解明でき、潜在的または即時の障害を見つけ出すためにメーカーが使用する重要なプロセスです。時として問題は明白なこともある一方、根本原因を解明するためにたくさんの解析とテストが必要なこともあります。故障解析に関与した人であれば、多大な努力に関わらず、多くの場合には根本原因が見つけられないことを知っています。不具合が明確な証拠を破壊してしまうか、あるいは故障解析中の分解で証拠を失うかのどちらかです。また、確定的な結論を出すのに十分な証拠が見つからない場合もあります。しばしば取られる最善策は、原因の外挿です。
比較的寿命の長い管に共通する故障はアーキングです。アーキングの最も一般的に証明されている原因は、高い残留ガス圧、絶縁体の劣化、スプリアス電子放射(一般には「電界放出」と呼ばれる)です。最初の2つの項目は先に言及しました。電界放出の場合、微小粒子(金属導体と非金属絶縁体の両方)が小さな電流(通常はナノアンペア程度)を生じて、単純に非常に高い電界により放出されます。こうしたビーム状に放射する微小電流は、ある特定の条件で絶縁体を帯電させてから放電し、アークを誘導します。この帯電は、絶縁体に刺し傷を生じる故障の原因にもなり、これが絶縁体の微小な穴となって、真空を失う原因になります。あるいは、粒子が離れて加速する可能性があり、電界において高エネルギーを受け、衝撃の際にバーストしてアークを誘導します。この衝撃は、しばしば衝撃デブリの形態で二次的な破損の原因となり、こうしたデブリがさらなる電界放出を引き起こします。
メーカーは、微粒子を低減する努力として清浄度を強調しており、通常はクリーンルームで管を組み立て、超音波洗浄や電解研磨といった各種プロセスを利用して粒子を除去します。こうした努力にもかかわらず、小さな微粒子が管に侵入します。微粒子を低減するには、すべての新しい管に「シーズニング」するか、その最大動作電圧の約25%までの高電圧動作を実施して管の無活動な部分まで微粒子を焼き切りまたは除去します。冷温条件での管のシーズニングは、効果がわずかであるため、特定の熱プロトコルを通じて管を動作させる必要があり、その多くが実現可能です。こうしたシーズニングのスケジュールにはかなりの実験と評価が積み重ねられていますが、必ずしも完全ではありません。決してアークを生じない管を得ることは極めて困難です。
3.用途の不一致。
当初のマンモグラフィーは、初期の管不整合の良い例であり、このときはマンモグラムの生成に標準診断管が使用されていました。診断成果はかなり悪く、放射線熱傷がしばしば生じました。数年が経過してモリブデン放射が電圧約30 kVで非常に小さな焦点になることが分かり、これを特別に取り付けた管が設計されて、その分析は乳癌の早期診断の提供において非常に効果的でした。新しい管は、これらの要件を満たすように設計されて、今日では最も重要な早期検出のためのゴールドスタンダードです。
a.低kV/高mA放射: 一般的な不一致は、高電圧使用のために設計された管を低電圧(典型的には最大の半分以下)で使用する場合に起きることがあり、限られた放射を克服するため高い電流でフィラメントを動かす必要があります。125 kV、300 mAで動作させる特定の回転式陽極管では、放電が50 kV、300 mAまでである場合、低い管電圧を補償するためフィラメントが16 %大きな電力で動作する必要があります。フィラメントは温度の4乗(T⁴)に比例した放射で冷却するため、16%の上昇はフィラメント温度のわずか3.8%増加を意味します。これは小さくも見えますが、タングステンはこの高い電力において約3倍の速さで蒸発し、結果としてこの場合には約3倍の速さでフィラメント寿命が短くなります。管を50 kVにおいてさらに高い管電流(この場合には>300 mA)で動作する場合、フィラメント電流を増加しなければならず、フィラメント寿命がさらに短くなります。メーカーでは、特に売り上げの少ない特注品の生産にはあまり積極的でないため、こうした不一致をしばしば受け入れなければなりません。
b. 温度/寿命: X線管の基本的なルールは、温度が敵だということです。電力を加えるほど、管寿命が短くなります。しかしながら、適切な電力がなければ、作業を遂行するのに十分なX線強度が得られません。フィラメント蒸着が望ましくない金属の付着を生じて、最終的には絶縁体のアークオーバーを発生させます。ターゲットを高温で動作させると、ターゲット蒸発に至るだけでなく、微小亀裂が原因でエネルギー分布と強度の面でも放射線品質が変化し始めて低下します。
管の動作中は熱機械的応力が生じます。ガラス・金属間のシールは加熱されると応力を受け、その熱が大きいほど、温度が高くなり、高い応力を生じることになります。究極的には、壊れて微粒子が生じるか、ガラスに細かい亀裂ができて、放射線の通過に伴い増加します。熱サイクルがあるため、機械的疲労が常に存在し、サイクルが多くなるほど、疲労が速く進行します。電力が大きくなると、温度が高くなり、疲労を加速します。使用可能な最低電力でX線管を動作させると、寿命が延びます。
4.電源による不適切な駆動。
X線源では、電源が必要なすべての電力を提供して管を動作させ、これにはフィラメントや、多くの場合には回転式陽極のローター電源も含みます。加えて、この電源はシステムによって使用されるロジックとインターロックを備えます。そのため、電源はX線源の必要不可欠な部分であり、両方が呼応して機能します。
a.電源インピーダンス: 電源で最も重要な特性の1つは、そのインピーダンスです。数百ワットで動作する固定式陽極管の場合、インピーダンスは高く、すなわち、たくさんの抵抗を含んでおり、アークの場合に管および敏感なエレクトロニクスへの損傷を最小限に抑えます。アークは通常、そのアークを支える電圧が低減されると消えてしまいます。アークの電流が高電圧抵抗を通過する場合、抵抗全体の電圧が増加し、これにより管の電圧および高電圧回路のその他の部品の電圧が低減します。管のガス圧が非常に高くアークを持続させてしまう場合、このインピーダンスが電源と関連エレクトロニクスも保護します。そのガスレベルが高くなりすぎた場合、管に対してその性能を改善する手立てはありません。
残念ながら、インピーダンスが高いと、粒子や電界放出、光蒸発が原因でアーキングが始まる場合、その原因を解消または蒸発させるだけの十分なエネルギーが保存されていないために、アーキングが継続することが多くあります。
回転式陽極管は、時として100キロワットを超える非常に高い電力条件、すなわち固定式陽極管のほぼ1000倍で動作します。この状況では、必要な電力を供給するために電源は高インピーダンスにはできません。これらの場合、保存されたエネルギーを通常10ジュール未満に制限する必要がしばしばあります。高電圧ケーブルと倍電圧コンデンサは、こうしたエネルギーを保存し、アークで管を破損する可能性があります。10ジュールは固定値ではなく、一部の管はより大きなエネルギーを蓄えた状態でも満足に動作するため、あくまでも目安であり、これより小さなエネルギーで動作しないものもあります。容量は、エネルギーが電圧の二乗に比例するため、高電圧ではかなり問題になります。
b. DC/ACフィラメント: 通常の場合、フィラメントは交流電圧/電流条件で動作します。これには3つの基本的理由があります。第一に、交流電流(AC)の制御と供給は昔から容易でした。第二に、直流(DC)を使用すると結晶粒が成長する傾向があり、時間経過でフィラメントが脆く壊れやすくなり、早期に焼損して断線します。そして最後に同じく大事な点は、DC条件の場合、フィラメントの一端に小さな固定電位が存在し、これはフィラメントの動作電位と等しく、集束カップに対してわずかにバイアスをかけて焦点を歪める可能性があります。この影響は、焦点が小さく、放射条件が高いほど、顕著になります。ACでは、こうしたバイアスがフィラメントの両端で入れ替わるので、かき消されます。
フィラメントが直流で加熱される場合、特に薄いフィラメントでノッチング現象が発生します。この場合、いくらかのタングステンイオンが蒸発したタングステン原子から形成されて、フィラメントのマイナス端に引き付けられて付着し、一連の「ノッチ」を形成します。これらのノッチは、フィラメントのその他のセクションよりも細く、ホットスポットを生じて蒸発が大きくなり、最終的には焼損します。ACでなくDCで動作することで、2から10倍のフィラメント寿命低減が報告されています。DCフィラメントを使用する近代的な電源は、高周波コンバーターからこれを駆動します。これらの条件では、数10kHzクラスの低振幅高周波リップルがフィラメント信号に存在してノッチングの影響を最小限に抑えます。

c.高周波: 管のガラス金属シールは、コバール製か、または鉄、ニッケル、コバルト(これらすべてが高磁性)からなる同様の合金製です。シールは、フィラメント電流を運ぶフィードスルーを備えます。高周波では、磁性材料が磁気ヒステリシス、渦電流、表皮効果を生じて、電流フローからエネルギーを奪い取ります。この現象での損失を克服するため、非磁性材料と比較して、より大きな電流を電源が送り出す必要があります。周波数が高くなるほど、損失が大きくなります。電力損失は、フィードスルーを加熱し、シールでの機械的応力の影響は、あまりよく理解されていません。現在は、最大40 kHzまでの周波数が使用されています。カソードとアノードには、高周波数、高電圧電源が使用されますが、これらはDCに整流されます。
d. 回転速度/ブレーキ: 回転式管の場合、ベアリング寿命とフィラメント蒸発は、管寿命の大きな考慮点です。露光が要求されると、ステーター電力が加わり、管のアノードが回転速度(回転/分)まで上がります。こうした最小速度は、メーカーが指定するもので、同期速度は昔から商用電源周波数に基づいて次の4つの値があります: 60ヘルツの場合は最大速度3600 rpmまたは3倍速の10800、50ヘルツの場合は3000 rpmまたは3倍速の9000です。これらの速度は、普通のシングル周波数とトリプル周波数のそれぞれに対して「低速」または「高速」と通常は呼ばれます。実用上、ローターはベアリングに摩擦があるため、この速度に到達することは決してなく、ステーターとローターとの間の磁気結合は完全でないため、速度が低減します。実際、ステーター/ローターシステムは、商用モーター(通常は90%を超える)と比較して約10%の効率しかありません。これらの理由から、メーカーは、一般的に最小速度(通常は3000、9500、2800、8500)を指定するか、同期速度からのスリップを許容する同様の値を指定します。
露光が開始されると、ステーター電力が指定時間加えられて最小速度に到達し、この電力はアノードの慣性モーメント、(蓄熱容量に対して非常におおまかに比例する)、ステーターへの印可電圧、印可電圧の周波数(高速または低速)に依存します。通常、このローター「ブースト」時間は1.5~6秒であるか、それ以上です。このブースト適用後、ステーターは「ラン」モードに入り、ここでは低減した電圧(通常は80~100ボルト)が連続的に印可されて最小速度を維持します。多くの場合、最小速度に合わせるためのブースト時間調整はインストーラーに任せますが、実際に実現させるには実施上の問題が生じる可能性があります。リードタコメーターと同期ストロボライトが回転速度を測定できます。アノードの熱状態を考慮する必要があり、高温のアノードは摩擦が増えて、磁気結合が低下するので、冷温のアノードよりも速度が低くなります。露光が実施されると、ステーターの巻き線1つにのみ電圧を印可して、ローター速度が低減またはブレーキされます。
ブレーキは、ベアリングの回転を素早く下げるために行われますが、ローター共振を素早く通り抜けるためにも同じく重要です。すべてのローターには固有振動周波数があり、このポイントでローター/アノードは著しく振動する可能性があります。この共振速度を素早く通り抜けて損傷の影響を最小限にするため、ブレーキ電圧が印可されます。典型的な共振周波数は、約4000~5000 rpm(65~80 Hz)であり、高速動作後のブレーキが特に重要です。通常の短いフィラメントブーストと長いローター速度時間を考えた場合、X線システムのイベントシーケンスは次のようになります: 露光の要求、ステーターブーストの適用、フィラメントブーストの適用、高電圧パルス露光の適用、フィラメントをアイドルまで低減、アノード速度のブレーキ。近代的な電源は、これらの時間シーケンスすべてに対する調整を備えています。
e.フィラメントブースト: X線管がX線を生成していないとき(カソードとアノードへの高電圧印可がない場合)、そのフィラメントはいわゆるアイドル(プレヒート)モードにあります。電流は流れていますが、放射点未満で管電流が引き込まれます。露光が必要な場合は、いつでもフィラメント電流を既定電流まで「ブースト」することで、高電圧が管に印可された際にある特定の管電流を流すことができます。X線が必要でなくなった場合、高電圧がオフになり、フィラメントはそのアイドル電流に戻ります。
典型的なフィラメントブースト時間の範囲は、約0.5~1秒です。この技術は、管電流が高い回転式陽極管にとって特に重要であり、X線が必要なときだけに動作させて、フィラメント寿命を守ります。フィラメントアイドル電流は、フィラメントからの蒸発が非常に小さくなるように選択され、高放射に必要なフィラメント電流の数分の一にすることでアイドル時の蒸発を最小限にします。管電流が十分に低い場合、いくつかの固定式陽極管はまったくブーストされず、フィラメントは、無電力状態からが引き上げられる場合があります。連続パルス状態のシステムでは、パルス繰り返しレートが高い場合、次のパルスが来る前にフィラメントをブーストする充分な時間がパルス間にないため、蒸発が問題となることがあります。通常、こうした場合には、すべてのパルスが終わるまでフィラメントがブーストモードで動作されます。近代的な電源は、これらの時間シーケンスのすべてに対する調整を備えています。
f.論理回路: 先の説明で分かるように、論理シーケンスとそれらの性能が極めて重要です。何も悪い要素がない場合、論理システムの機能と信頼性が重要と考えられるその他のシステム(インターロック、画像処理シーケンス、放射線透過写真オブジェクト要件、およびその他のシステム要件)を追加してください。
時として管のアーキングは電流サージまたは高電圧の中断によって始まる過渡電流を起こす可能性があり、ロジックへの回路故障を生じます。近代的な電源は、隔離された論理回路を備え、通常動作とアーキングにおいて敏感なエレクトロニクスを過渡電流から保護します。
g.フィラメントリミット/フィラメントプレヒート設定: フィラメントリミット調整は最も重要な設定のひとつです。このフィラメントリミットセットポイントは、フィラメント電源の最大出力電流を制限してX線管を保護します。この設定により、X線ジェネレーターはいかなる状況でもこの値を超えることが不可能になります。 X線管メーカーの仕様以下に設定する必要があります。
フィラメントリミットを最大X線管仕様未満に設定する場合、フィラメントリミットは、使用される最低kV設定で最大プログラム済み放射電流(mA)を達成するために必要なフィラメント電流よりも10~15%高くなるはずです。フィラメント最大値は放射に必要な値とは異なることに留意してください。必要な放射電流値よりも10~15%高く設定すると、ヘッドルームと優れた過渡応答特性を提供します。
フィラメントリミットレベルは、常にメーカーの推奨最大フィラメント電流仕様以下に保ってください。フィラメントスタンバイ電流(一部の製品ラインではフィラメントプレヒートと呼ばれる)は、X線スタンバイ(HVオフ/X線停止)条件中にX線管フィラメントに供給されるアイドル電流です。
このフィラメントプレヒートセットポイントは通常約1A~2Aですが、そのX線管メーカーに問い合わせてください。目安として、最大フィラメントプレヒートレベルはフィラメントリミット仕様の50%に制限してください。素早い放射電流ランピングが必要とされない場合、スタンバイ電流をゼロに設定してもまったく構いません。
5. 管筐体(ハウジング)の考慮。
X線管は、適切な筐体で囲んであらゆる方向にX線が放射されるのを防ぎ、適切な高電圧絶縁を施し、管やシステムを冷却する必要があります。独立したX線管の場合、この筐体は、ハウジング、管アセンブリまたは放射源として考えられ、電源が管と組み合わされたシステムの場合、通常はMonoblock®(スペルマン 登録商標)と呼ばれます。
a.絶縁(オイル)漏れ: すべての高電圧面からのアーキングを防ぐため、絶縁体(通常は酸化防止変圧器油)で高電圧絶縁を施す必要があります。オイル漏れの発生は、通常空気もハウジング内に漏れ込んでいることを意味し、空気が高電圧場域に入るとアークオーバーの原因になります。アーキングが続く場合、オイルの分解から生じた炭素が表面を覆い、回復できなくなります。オイルシールは、多くの場合「O」リングで作られており、Buna-Nラバーが油焼け防止剤に適しています。ネオプレンなどの一部の材料は、このオイルで膨張するため適しません。圧縮率に関するOリングメーカーからの通常の推奨率は約5~10%ですが、これは適用しません。Oリングは典型的な高ハウジング温度でセット・ルース弾性を利用しており、浸み出し始める場合があるため、約25%の圧縮率が実際には使用されます。
使用するオイルは、吸収されたガスを含んでおり、真空処理で取り除いて、ハウジング内で放出されるのを防ぐ必要があります。こうした処理は、絶縁耐力(ボルト/距離の単位で測定)を高めます。通常この値は30キロボルト/インチを超えます。考慮すべき重要な点はハウジング内で使用される材料であり、通常はプラスチック絶縁体です。これらは、可塑剤やその他の化学物質を浸出させる可能性があり、オイルに溶け込んで絶縁耐力を低下させます。温度が浸出を促進させます。ハウジングで使用する材料をテストする場合、たとえそれらの部品が新しい製造ロットであるとしても、注意を払う必要があります。
b. 過熱: 過熱は、管だけでなく、ハウジング内でもアーキングを引き起こす可能性があります。多くのシステムは、熱交換器を備えており、これはファンを利用し、一部のものはオイルを循環するポンプを利用します。これらの交換器をきれいに保つことが絶対に不可欠です。埃は大きな問題の種であり、自然な空気対流と強制(ファン)空気対流の両方を妨げます。その結果ハウジングが過熱を始めるので、保守計画を確立する必要があります。
c.周囲温度: 周囲温度は、メーカーの指定に従う必要があります。通常の周囲温度は摂氏25~30度であり、高負荷条件では、ハウジングが摂氏75度や80度まで上がる可能性があり、これが通常の限界です。したがって、温度上昇は約50度であり、周囲が指定よりも高い場合、この温度上昇が周囲温度に加わり、過熱が生じます。しばしばテストで使用されて放射線漏れを防ぐ筐体は、周囲温度が推奨温度を超える原因になることがあります。また、装置を「保護」するために使用するプラスチックや布のカバーもよく見られますが、対流する空気の流れを妨げるばかりで、過熱を簡単に引き起こす可能性があります。
d. ハウジングの姿勢: 管のハウジングは、熱交換機のありなしにかかわらず、一番上の部分が熱くなり、底の部分は熱くなりません。これは、絶縁冷却オイルが強い対流を生じて、タバコからの煙のように上昇し、熱をハウジングの一番上まで運ぶからです。動作に対して最善のハウジング姿勢を保つため、注意を払う必要があります。多くの場合、熱電対が高温領域を特定・判別できますが、正確な測定には良好な熱的接触が必要です。
e.ケーブル/アース接続: 言うまでもありませんが、良好な電気的接続が必要です。特に接地は、その他の接続(ステーター、過熱スイッチ、高電圧ケーブルなど)と同様に重要です。擦り切れた接点やワイヤーのないしっかりとしたねじ込み接続が必要です。高電圧ケーブルの接続は特に重要で、空気が入っていると、高電場領域でイオン化して絶縁体をアークが通り抜けてしまいます。通常は、高電圧グリースを使用して空気をシール遮断し、表面間が密接に接触するようにします。いったんアークの跡が残り始めると、修復は不可能です。ケーブル絶縁体の取り付けに関するメーカーの推奨事項には厳密に従ってください。
f.絶縁体膨張: オイルが加熱された場合、すべての材料がそうであるように、その体積は膨張します。X線システムは、この膨張を許容する十分な体積が必要です。冷温側では、システムが出荷されるとき、収縮分の体積を許容する必要があります。通常、膨張と収縮は、全体の体積変化を許容する柔軟な隔膜を使用して達成されます。良い設計には安全係数が入っており、これは大きいほど良いことになります。25%以上の安全係数が良好です。同じく大事なことは、膨張による偏位での中立点の設定です。隔膜は、発生する膨張と収縮を許容するによう設定される必要があります。これらの係数は、設計とメーカーの要件です。
g.定格の統制: 管の動作に関して最も重要な考慮点の1つは、公表された定格内で動作させることです。熟知し、計画することが重要なポイントです。長期的な過熱が過度にならないように高電圧とフィラメント電力を見直す必要があり、アノードの短期的な過電力が焦点の溶解を生じる可能性があります。配慮と注意が大切です。無理のない熱交換器の動作も同じく重要です。回転式陽極管にも同じことが言えますが、加えて適切な回転を保証する必要があります。個々の露光定格は、適切な焦点の励起、正しい速度チャートの使用、高電圧の観測、適切なパルス時間の選択を確保するために重要です。これらのチャートは、過熱を防止するため、フィラメント放射およびボルト・アンペア特性と整合させる必要があります。チャートの取り違えや読み間違いが、非常に簡単に発生します。二重のチェックを欠かさないでください。
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電源装置の使用と用途
分析装置用高電圧電源
"High Voltage Power Supplies for Analytical Instrumentation" - read this technical paper from Spellman High Voltage Electronics Corporation.
電子ビーム顕微鏡 スペルマンの役割と応用
静電アプリケーション用の高電圧電源
"High Voltage Power Supplies for Electrostatic Applications" - read this technical paper from Spellman High Voltage Electronics Corporation.
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研究論文
Accurate Measurement of on-State Losses of Power Semiconductors(電力半導体デバイスでのオンステートログの正確な測定)
"Accurate Measurement of On-State Losses of Power Semiconductors" - read this technical paper from Spellman High Voltage Electronics Corporation.
High-Power High-Performance Low-Cost Capacitor Charger Concept and Implementation(高電力、髙性能、低コストのコンデンサー充電器の概念と実装)
"High-Power High-Performance Low-Cost Capacitor Charger Concept and Implementation" - technical paper from Spellman High Voltage.
Comparison of the Dielectric Strength of Transformer Oil Under DC and Repetitive Multimillisecond Pulses(直流および数ミリ秒の繰り返しパルスの元での変圧器オイルの絶縁強度の比較)
"Comparison of the Dielectric Strength of Transformer Oil Under DC and Repetitive Multimillisecond Pulses" - technical paper from Spellman High Voltage.
Glossary - Applications
A
Analytical X-Ray (分析用X線)
は、X線回析(XRD)、蛍光X線(XRF)その他様々なX線技術を使って材料の特性及び組成を調べる。
Arc Lamps (アークランプ)
は、電気アークを使用して光を生成するタイプのランプです。 2つの電極は、可視光を放射する連続的な電気アークを作り出す高電圧源によってイオン化されるガス(水銀、アルゴン、クリプトンなど)によって分離されます。
Automated Test Equipment (ATE) (自動テスト装置(ATE))
は、集積回路、プリント回路基板、または他のタイプの電子デバイスまたはアセンブリをテストするために使用される特殊自動検証装置です。
B
Baggage Screening (手荷物検査)
はX線解析その他の検査技術を用いて密輸品を見つける、商用荷物または個人荷物の検査である。
Bomb Detection Systems (爆弾探知システム)
は、様々な分析技術を使って爆弾または爆発物の潜在的脅威を探るために手荷物を検査する自動爆発物検知装置(EDS)である。
Bone Densitometry (骨密度測定)
は、骨粗鬆症の予測及び治療のために、人骨1平方センチメートル当たり骨量を測定するのに用いられる医療用X線技術である。
C
Cable Testing (ケーブル検査)
は電源の電圧及び電流を使ってケーブル・アセンブリまたはワイヤ・アセンブリ(配線)の電気接続を検査する検査技術である。
Capacitor Charging (コンデンサ充電)
は高圧電源を使って、パルスパワーアプリケーションに用いるコンデンサを充電する。
Capillary Electrophoresis (CE) (キャピラリ-電気泳動(CE))
は電荷比、摩擦力及び導電性液体媒体の質量に応じたイオンの分離及び識別に用いられる解析技術である。
Cargo Screening (荷物検査)
はX線解析その他の検査技術を用いて密輸品を見つけるばら積み貨物の検査である。
Cathode Ray Tubes (CRT) (陰極線管(CRT))
は、電子銃を搭載した円錐形の真空管で、蛍光スクリーン上に画像情報及び動画を表示するのに使用される。
Channel Electron Multipliers (チャネル電子マルチプライヤ)
は入射電荷量を増倍する真空管構造であり、二次電子放出と呼ばれるプロセスを使って1つの電子から複数電子のカスケード効果を生み出すことを可能にする。
Channeltrons (チャンネルトロ)
ン は特殊なチャンネル電子マルチプライヤの商標名である。詳細はチャネル電子マルチプライヤを参照。
CO2 Lasers (炭酸ガスレーザ)
ー は主要励起媒体に炭酸ガスを用いる連続波ガスレーザーで、基本出力波長は9.4~10.6マイクロメーターである。
Cold Cathode Lamps (冷陰極ランプ)
は加熱したフィラメント(熱イオン放射)を使わずに二次電子の増幅放出を形成するタイプのランプである。
Corona Generators (コロナ発生器)
は、空気のイオン化によりコロナを発生させるために特別に設計された高圧電源を搭載する装置である。通常、このプロセスは、様々な工業洗浄及び浄化用途に用いるオゾンの発生に使用される。
CT Generators (CT発生装置)
CTスキャナー用電源を参照。
CT Scanner Power Supplies (CTスキャナー用電源)
はカスタム設計及び生産された特殊高圧電源で、コンピュータ断層撮影向けに用いられる医療用高圧X線管に電力を供給する。
D
Dielectric Breakdown Testing (絶縁破壊試験)
は、ケーブルまたは配線に試験用高電圧を印加し、絶縁破壊が発生する電圧レベルを調べるプロセスである。
Digital X-Ray Detector Panel (デジタルX線検出パネル)
は、従来のX線フィルムや現像条件を使わずにデジタルX線画像を作成することが可能なX線イメージング技術を用いる。
E
E-Beam Evaporation (電子ビーム蒸着)
は、電子ビームが材料(絶縁体や導線)を真空状態で溶かし、それによって材料を気相にし、真空チャンバ内の物質を供給量制御が可能な超微粒霧で被覆するコーティングプロセスである。
E-Beam Lithography (電子ビームリソグラフィ)
は一定の方法で電子ビームを検出する技術であり、半導体製造工場で集積回路の生産プロセスの一環として用いられる。
E-Beam Welding (電子ビーム溶接)
は、2つの金属面に衝突した瞬間に一定のエネルギービームを持った電子がその運動エネルギーを熱エネルギーに変え、これによって金属を溶融する融接プロセスである。
Electro-Optics (電気光学)
は光学的特性を持つ材料が電場の印加から影響を受ける可能性を探る科学分野である。
Electron Microscopes (電子顕微鏡)
は細束電子ビームを使って試料の像を電子力で拡大する。電子顕微鏡は光の波長の制限を受けずに、最大100万倍まで拡大することができる。
Electron Spectroscopy for Chemical Analysis (ESCA) (X線電子分光分析(ESCA))
は、物質内にある元素の組成、実験式(組成式)及び化学的・電子的状態を測定する分光技術を使った定量分析方法である。
Electrophoresis (電気泳動)
は均一な電場の影響を受ける液体に比例する分散粒子の移動である。
Electroporation (エレクトロポレーション)
は、外部から印加された電場が細胞原形質膜の導電性及び浸透性を増倍するプロセスである。
Electrospinning (エレクトロスピニング)
は、高電圧を印加した溶液からナノファイバーを形成する方法である。合成分子の調整を可能にすることで、生物学的製造技術に最適な方法にしている。
Electrostatic Chucks (静電チャック)
は、半導体生産工場で使用される固定吸着作業デバイスで、工程時に静電気を利用してシリコンウェハーを所定の位置に固定する。
Electrostatic Discharge Testing (ESD) (静電気放電試験(ESD))
は高圧電源と他の器具を使って静電気電荷蓄積及び静電気放電が電子機器や電子部品に与える影響をシミュレートするものである。
Electrostatic Flocking (静電植毛)
はあらかじめ接着剤を塗布した表面に静電駆動用の電圧を印加して微粒子を固定することである。標準的なフロックは長さや色が異なる短く切った天然または合成繊維で構成される。
Electrostatic Lenses (静電レンズ)
は荷電粒子の移動に影響を与える静電気の原理を利用する集束装置である。
Electrostatic Oilers (静電気オイラー)
は、静電気を用いて目的面に正確に潤滑油を塗布する工業用油噴霧器である。
Electrostatic Precipitators (電気集塵装置)
は静電力による微粒子吸着の原理を使って流動気体から粒子を除去する集塵装置である。
Electrostatic Printing (静電印刷)
は、静電力を利用して印刷面に粉末またはインキで直接画像を形成する印刷または複写工程である。
Electrostatic Separators (静電分離機)
は鉱業または廃棄物回収用途に用いる分離装置であり、静電力を使って複数成分が混在する基材流を個々の成分に分離する。
Elemental Analyzers (元素分析計)
は、様々な工業生産工程で品質検査を行う際に、蛍光X線(XRF)技術を用いて原料の組成を決定する装置である。
Energy Dispersive X-Ray Fluorescence (EDXRF) (エネルギー分散蛍光X線分光法(EDXRF))
は電磁放射線と物質間の相互作用を利用した元素解析に用いられる分光分析技術であり、荷電粒子との衝突に反応して物質が放出するX線を分析する。
Explosive Detection Systems (EDS) (爆発物検出装置(EDS))
爆弾探知システムを参照。
F
Fill Level Inspection (充填検査)
適切に容器へ充填するための自動X線検査システムを使用したプロセスのことで、一般的に食品加工業で使用されています。
Flash Lamps (フラッシュランプ)
は極度に強い、可視光全域に連続スペクトルを実現する白色光を極めて短時間の間発生させるグロー放電ランプである。
Flight Simulators (フライトシミュレータ)
は、訓練目的で航空機の飛行体験を再現する複雑な電気機械システムである。現実的な視界画像を表現するために画像を組み合わせた拡大画面を提供する場合は、特殊CRTプロジェクターを使用することが多い。
Focused Ion Beam Mask Repair (FIB) (集束イオンビーム(FIB)マスク修正装置)
ICチップの基礎的なパターニング装置であるため、基本デバイスである半導体加工には光投影リソグラフィーのマスクが使用される。極細束化した集束イオンビームを使う特殊修正装置を使ってマスクの欠陥を修復することができる。
Food Inspection (食品検査)
は骨片及び異物について市販用加工食品の検査するX線検査技術である。
G
Gamma Cameras (ガンマ線カメラ)
はガンマ線を放出する放射性元素を撮影するのに用いられる装置であり、シンチグラフィーとして周知の技術である。
Gamma Detectors (ガンマ線検出装置)
はガンマ線とシンチレーション材料との相互作用で機能する。この相互作用によって、低エネルギー放射線が発生し、それを光電子増倍管に集めて増幅する。
Gel Electrophoresis (ゲル電気泳動)
は、ゲルマトリクスに印加した電場を使う、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)またはタンパク質分子に用いる分離技術である。
H
Hi Pot Testing (ハイポット試験)
は試験電圧をケーブルまたは配線に印加し、それが特定電圧スタンドオフレベルに耐えることを確認する方法である。
High Voltage Packaging (高電圧パッケージング)
は、コロナ発生の軽減、絶縁条件、絶縁破壊やトラッキングの要件、及び材料適合性の懸念等のあらゆる変数を考慮にいれた、工業生産向け高圧設計技術である。
High Voltage Power Supply Dividers (High Voltage Power Supply Dividers)
は、複数の精密高圧抵抗器を直列に接続し、低端に測定しやすい比例する低電圧信号を発生させるスケーリング抵抗器を接続する装置である。
High Voltage Power Supply Measurement (High Voltage Power Supply Measurement)
は、高電圧分圧器、高インピーダンスの計測器及び利用可能なコロナ抑制装置を使って高電圧信号を正確に測定する安全な技術である。
Hollow Cathode Lamps (HCL) (中空陰極ランプ(HCL))
は、レーザー等の光源の代わりに輝線スペクトルの光源の波長調整器として用いる特殊な光学ランプである。
I
Image Intensifiers (イメージ増倍管)
は、光学装置内の利用可能な光度、X線/γ線照射に敏感な蛍光物質の強度を増強したり、不可視光を可視スペクトル光に変換したりする真空管装置である。
Impulse Generators (インパルス発生器)
は、インパルス試験のために、放電コンデンサを直列、並列または直列/並列接続して、高圧または高電流の極短パルスを生成する電気装置である。
Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry (ICP) (誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP))
は、一連の金属及び非金属を超低濃度で測定することが可能な質量分析装置である。この技術は基本的に質量分析検出器を用いる誘導結合プラズマをイオン発生方法として使用する。
Industrial Color Printing (産業用カラー印刷)
静電印刷を参照。
Industrial CT (産業用CT)
はコンピュータ断層撮影の原理を使って産業用途に用いる検査プロセスである。
Industrial Magnetrons (工業用マグネトロン)
は調理産業、粉末乾燥及びゴムの加硫プロセス等に用いる大型のマイクロ波加熱装置に用いられる。
Ion Beam (イオンビーム)
はイオンで構成される粒子線である。
Ion Beam Implantation (イオンビーム注入)
は半導体生産に用いられる作業工程で、高エネルギーイオンビームによって目的物質のイオンを別の個体に注入することが可能なため、標的物質の物理特性を変化させることができる。
Ion Milling (イオンミリ)
は高圧電源を使って低圧ガスをイオン化することでこれを加速させ、中性粒子を発生させて、運動プロセスまたは化学プロセスを介して試料に衝撃を与え、試料原子を除去する中性原子線をつくる。
Ion Sources (イオン源)
は荷電粒子を発生させる電磁装置である。
Ionization Chambers (イオン化室)
はイオン化放射線の検出及び測定に使用する、最も単純なガス充填式放射線検出器である。
L
Land Based Power Feed Equipment (PFE) for Telecommunications (地上給電装置(PFE))
は、特に電気通信用の海底光ファイバーケーブルに給電する意図で設計及び製造される、高度かつ信頼のできる高圧冗長電源である。
Lasers (レーザ)
ー はコヒーレント光の強力な狭ビームを発生させ増幅させる装置である。
Leak Detectors (ガス漏れ検知器)
は、特定のガスを極低濃度まで感知することが可能な質量分析装置である。
Lithotripsy (砕石術)
は衝撃波を使って腎臓、膀胱または尿道内の石灰化を粉砕する医療措置である。
M
Magnetrons (マグネトロン)
は、共振空洞の増幅で強化された磁場内の電子流を利用して高周波放射を発生させる高圧真空管である。
Mammography (マンモグラフィ)
ー は、乳癌検診の目的でX線を使ってヒトの乳房組織を撮像する医療検査手段である。
Marx Generators (多段式インパルス電圧発生器)
はインパルス発生器の1つである。インパルス発生器を参照。
Matrix Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometry (MALDI) (マトリクス支援レーザー脱離/イオン化質量分析(MALDI))
は、従来のイオン化法でイオン化する場合に崩壊が考えられる二分子状態の大型有機分子の解析に用いる質量分析技術である。
Matrix Assisted Laser Desorption Ionization Time Of Flight Mass Spectrometry (MALDI-TOF) (マトリクス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析(MALDITOF))
マトリクス支援レーザー脱離/イオン化質量分析(MALDI)を参照。
Medical Irradiation (医学的放射線)
内科的腫瘍学を参照。
Medical Oncology (内科的腫瘍学)
は放射線治療(放射線のイオン化)を用いる悪性腫瘍の治療である。
Medical Sterilization (医療施設の滅菌)
は、γ線を使って移植組織や診断キット、カテーテル及び輸液セット等の包装された医療機器及び医療製品を滅菌する。
Microchannel Plate Detectors (マイクロチャネル・プレート検出装置)
は、電子、イオン、紫外線照射及びX線の検出に使用される。電子マルチプライヤと同様に、二次放出の原理を利用して動作する。
Microwave Generators (マイクロ波発生器)
マグネトロンを参照。
Monoblocks® (モノブロック®)
(一体型X線発生器):セキュリティ、医療及び産業部門のX線分析に用いられる、単純かつ費用対効果に優れたアセンブリ内に高圧電源、フィラメント電源、制御電子回路及び一体型X線管を搭載したSpellman High Voltage ElectronicsのターンキーX線発生装置シリーズの登録商標名。
N
Neutron Generators (中性子発生装置)
は小型直線加速器を内蔵し、水素同位体の融合により中性子を発生させることができる装置である。
Non Destructive Testing (NDT) (非破壊試験(NDT))
は、ある物体、物質またはシステムを今後も利用できる状態で検査する手法であり、通常は物質の完全性の非医学的検査に適用される。
Non Thermal Plasma Reactors (非熱プラズマ反応器)
は、プラズマ化学気相成長法、プラズマエッチング及びプラズマ洗浄に用いる、低温かつ環境圧力に処理し、部分的にイオン化したガスを発生させる装置である。
Nuclear Instrumentation Modules (NIM) (核計測モジュール(NIM))
は、試験粒子及び核の物理実験に用いる電子モジュールの機械仕様及び電気仕様を定義する規格である。
Nuclear Medicine (核医学)
は放射性同位元素を用いる医療及び医学画像分野で、放射性崩壊を利用して疾病の診断及び治療を行う。
O
Ozone Generators (オゾン発生装置)
コロナ発生器を参照。
P
Photo Multiplier Tube Detectors (PMT) (光電子増倍管検出器(PMT))
は真空の光電管で、紫外線光、可視光及び近赤外線光の電磁スペクトルの超高感度検出器である。
Photolithography (フォトリソグラフィ)
ー は、マスク上に描かれた幾何学的図形をシリコンウェハーの表面に移動するプロセスである。通常は集積回路を生産する半導体生産工場で利用される。
Piezoelectric Transformers (圧電トランス)
は機械力で電位を変換する非磁性の変圧器である。電圧利得は材料係数、一次層の数及び材料の厚さと長さとの相関関係で決まる。
Plasma Igniters (プラズマ点火器)
は、帯電電極を持つ小チャネルに圧縮ガスを移送することにより動作する。高圧を印加すると、強力な火花が発生しプラズマトーチが放電するまでガスを加熱する。
Plasma Torches (プラズマトーチ)
プラズマ点火器を参照。
Pockels Cells (ポッケルズセル)
はこれを通過する光の偏光を変化させる電圧制御型光学装置である。
Positron Emission Tomography (PET) (陽電子放出断層撮影法(PET))
は、核医学の医療撮像技法であり、体内の機能プロセス三次元画像を生成する。このシステムは、陽電子を放出する放射性核種トレーサーを生物活性分子に結合したものを体内に注入し、それによってγ線の放出を検出する。
Power Feed Equipment (PFE) (給電装置(PFE))
は、電気通信用の光ファイバーケーブルに給電する地上または船上電源である。詳細については地上給電装置(PFE)を参照。
Product Inspection (製品検査)
は製品に金属、ガラス、石及び骨などの異物が混入していないかを検査するX線検査システムである。詳細については食品検査を参照。
Proportional Counters (比例計数管)
はα線、β線及びX線照射の測定に使用される放射線検出器で、比例計数管と関連回路で構成される。基本的にはガイガー計数管と同じであるが、ガスの種類と低管電圧が異なる。
Pulse Forming Networks (PFN) (パルス生成回路(PFN))
は長時間にわたって電気エネルギーを蓄積した後、蓄積したエネルギーを短時間パルスの状態で放出し、様々なパルスパワー応用に使用される。PFNは通常、高圧電源で充電され、その後高電圧スイッチを介して急速に負荷に放電される。
Pulse Generators (パルス発生器)
は振幅、負荷サイクル及び州は数の異なる信号パルスの生成に使用される回路または電子試験機器の集合体である。
Pulsed Power Supplies (パルスパワー電源)
はパルス出力を生成することができる固有電源である。
Q
Quadrupole Mass Analyzers (四極子質量分析器)
は基本的に、測定するイオンの飛行経路に平行に設置される4本の帯電ロッドで構成される。ロッド内の電圧を変えることでイオンは質量対電荷比(m/z)でろ過膜を通過し分離される。
S
Scanning Electron Microscopes (SEM) (走査型電子顕微鏡(SEM))
電子顕微鏡を参照。
Shipboard Power Feed Equipment (PFE) for Telecommunications (電気通信用船上給電装置(PFE))
は、特に、海底電線敷設船上に配備され修理される間に電気通信用の海底光ファイバーケーブルに給電する意図で設計及び製造される高度かつ信頼のできる高圧冗長電源である。
Silicone Encapsulation (シリコン封止材)
は高圧電源内に頻繁に用いられる固体絶縁物で、その物理的環境から小型化、高出力密度及び絶縁を可能にする。
Single Photo Emission Computed Tomography (SPECT) (単光子放出コンピュータダンス撮影(SPECT))
陽電子を放出する放射性核種トレーサーを体内に注入する陽電子放出断層撮影(PET)に類似する医療撮像技術である。SPECTは心臓疾患、癌及び脳の損傷等の幅広い病状の診断及び評価に利用することができる。
Spectrometers (分光計)
は、電磁スペクトルの特定領域を透過する光の特性を測定する際に用いられる計測装置で、通常は物質を識別するための分光分析に使用される。
Spectrophotometers (分光光度計)
は光の色彩(具体的には波長)の関数として光強度を測定することが可能な光度計である。
Sputtering (スパッタリング)
は基材の表面に薄膜を形成するのに用いられる物理的気相成長法プロセスで、様々な工業及び科学分野に利用される。スパッタリングはイオン化ガス分子を使って標的物質の原子を除去する際に行われる。この原子が原子レベルで基材に結合し、薄膜を形成する。
Substance Identification Systems (物質識別装置)
は、X線及び質量分析法等の様々な解析技術を使って未知の物質(麻薬、爆発物など)の識別を可能にする特殊装置である。
T
Thickness Gauging (厚さ測定)
はX線蛍光(XRF)分析技術を使ってめっき厚、塗装厚その他の卑金属の被覆厚を測定することである。
Time of Flight Mass Spectrometry (TOF) (飛行時間型質量分析(TOF))
電場によってイオンが加速されると、この未知のイオンは同じ運動エネルギーを与えられ、真空飛行管の一定距離を移動する。イオンの飛行速度(つまり飛行時間)は、質量電荷比によって決まる。この飛行時間を既知基準と比較することによって、未知物質の正体を測定することができる。
Trace Detection Systems (痕跡検出)
システム は様々な分析技術(X線、質量分析など)を使って麻薬や爆発物等の密輸品存在可能性を束エイする。
Transmission Electron Microscopes (TEM) (透過型電子顕微鏡(TEM))
は特定の電子ビーム顕微鏡で、透過電子を利用して試料の像を形成する。詳細については電子顕微鏡を参照。
U
UV Flash Lamps (UVフラッシュランプ)
は、高圧電源、パルス生成回路、キセノンフラッシュランプ及びトリガー回路の4つの要素で構成される。生成された紫外線光はインク、接着剤、被覆材の硬化その他の工業用途に利用することができる。
UV Water Purification Systems (UV浄水システム)
は、バクテリアやウィルス等の未処理水中の有害微生物を殺滅する殺菌水製造装置で用いられる紫外光源である。
V
Vacuum Deposition Systems (真空蒸着装置)
は熱蒸発、スパッタリング、陰極アーク蒸発法、レーザーアブレーション法或いは化学蒸着等の方法を使って真空条件下で固体表面に単原子層や単分子層を形成する。
Vacuum Ion Pumps (真空用イオンポンプ)
はガスをイオン化し、強力な電場を使って生成したイオンを加速し、固体電極に析出させ、それを真空チャンバから有効に除去するプロセスで動作する。
W
Wavelength Dispersive X-Ray Fluorescence (WDXRF) (波長分散型蛍光X線分光分析法(WDXRF))
は、結晶によって回析された特定波長のX線数の計測に用いる方法である。この手法は通常、蛍光X線分析装置の化学分析に用いられる。
Wire Line Logging (ワイヤーライン検層)
は、掘削及び生産作業について決定する意図で、特殊な電気機器を使って石油・ガス抗井内の特性を連続測定する方法である。
X
X-Ray Analysis (X線分析)
は様々なX線分析技術を使って既知材料または未知材料の特性を測定することである。
X-Ray Crystallography (X線結晶学)
はX線回析技術を使って結晶構造を調べる研究である。X線ビームは結晶格子に衝突すると、格子の原子構造の特徴を示す特定の形に分散される。
X-Ray Diffraction (XRD) (X線回析(XRD))
は結晶性固体について構造特性を把握し、それを複雑な生体分子の三次元構造を解読する生化学分野で役立てるために用いられる。
X-Ray Fluorescence (XRF) (蛍光X線(XRF))
は、未知の試料をX線と衝突させ、そこで発生する電子軌道の空孔に電子が遷移する際に二次蛍光X線が放出されるプロセスである。この二次放出を検出し、分析して材料を識別する。
X-Ray Generators (X線発生器)
は、技術的には、X線を生成する能力を持つ装置である。電力供給産業では、X線管に給電する特殊な高圧電源を特定するためにX線発生器が頻繁に使用される。
X-Ray Inspection (X線検査)
は品質管理目的で材料や製品の検査及び分析を行うX線の産業利用である。
X-Ray Photoelectron Spectroscopy (XPS) (X線電子分光法(XPS))
は試料にX線を照射し、表面から分離する電子フラックスを測定して未知材料を識別する方法である。
X-Ray Powder Diffraction (XRD) (X線粉末回析(XRD))
は粉末状または微結晶状の試料にX線を照射し、未知材料の構造特性を調べる分析技術である。
X-Ray Sources (X線源)
は、X線の発生に不可欠なあらゆる必須要素(高電圧電源、フィラメント電源、X線管、制御電子など)を搭載した一体型電子機器である。Spellman製「Monoblock®製品シリーズはX線源である。
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