アプリケーションノート X線ジェネレーター

X線ジェネレーターの基礎 – X線管の最適化:

AN-01

X線ジェネレーターとX線管は、それらが連携することで、今日の用途に要求される性能と信頼性を提供します。  スペルマン X線ジェネレーターは、お客様の具体的なプロジェクト目標に適合するため、すべてのメーカーから提供される管をジェネレーターがどのように運用するかをカスタマイズする洗練性と柔軟性を顧客に提供します。スペルマン X線ジェネレーターの全可能性を把握するため、ジェネレーターをセットアップする場合には、性能と信頼性を最適化する目的でいくつかの基本的ルールを理解することが重要です。具体的なご質問は、次宛でエキスパートにおたずねください: asktheexperts@spellmanhv.com

X線ジェネレーターの設定をX線管に整合させる方法を理解する。

  1. 仕様の確認:  高電圧ジェネレーター/X線管/高電圧ケーブルを注文する前に、ジェネレーターのフィラメント電流と電圧、出力kVとmA仕様がX線管の要件を満たすことを確認します。加えて、高電圧ケーブルのピンアウトと長さがスペルマン ハイ・ボルテージ製品の仕様に準拠することを確認します。
  2. 最大フィラメントリミットの設定:  最もクリティカルな設定の1つはフィラメントリミット調整です。このフィラメントリミットセットポイントは、フィラメント電源の最大出力電流を制限してX線管のフィラメントを保護します。この設定により、ジェネレーターはいかなる状況でもこの値を超えることが不可能になります。  X線管メーカーの仕様以下に設定する必要があります。最大X線管仕様未満に設定する場合、フィラメントリミットは、最低kVで最大プログラム済み放射電流(mA)を達成するために必要なフィラメント電流よりも10~15%高くすべきです。フィラメント最大値は放射に必要な値とは異なることに留意してください。必要な放射電流値よりも10~15%高く設定すると、ヘッドルームと優れた過渡応答を提供します。ただし、リミットレベルは、常にメーカーの推奨最大フィラメント電流仕様以下に保ってください。詳細については、ユーザーマニュアルを参照してください。
  3. フィラメントスタンバイ(プレヒート)の設定:  フィラメントスタンバイ電流(一部の製品ラインではフィラメントプレヒートと呼ばれる)は、X線スタンバイ(HVオフ/X線停止)条件中のX線管フィラメントに供給されるアイドル電流です。このフィラメントプレヒートセットポイントは通常約1A~2Aですが、そのX線管メーカーに相談する必要があります。素早い放射ランピングが必要とされない場合、スタンバイ電流をゼロに設定してもまったく構いません。
  4. ランプ時間のプログラム:  ご使用の製品に対してプログラム可能なkV、mA、フィラメントランプ時間が利用可能な場合、その用途に対して耐えられる最も遅い時間に設定すべきです。これらの機能に対する指定の製品マニュアルを参照するか、スペルマン ハイ・ボルテージまでお問い合わせください。

フィラメントのケーブル長の効果:

ACフィラメント:

ACフィラメントは、高い周波数で動作するため、長いケーブルではインピーダンスの問題で電力の駆動が困難になる場合があります。標準装置は、工場テスト中、既定のケーブル長(たとえばDXMは3メートル)で較正されています。高電圧ケーブル長を変更すると、フィラメント電流校正に影響する場合があります。  ご使用のシステムでケーブル長に関する心配がある場合、スペルマン ハイ・ボルテージまでお問い合わせください。

DCフィラメント:

DCフィラメントの場合、ケーブルのDC銅損を考慮する必要があります。使用されるワイヤーゲージは、現在の要件に対して寸法を決定する必要があります。標準装置は、既定のケーブル長とワイヤーゲージ(たとえばDXMは3メートル、18ゲージワイヤー)で校正されます。 

フィラメント電圧要件:

スペルマンはフィラメント制御のために電流を制御します。X線管フィラメントで必要とされる電圧は、単純にオームの法則から: V=I*Rとなります。ご使用のX線管の電流・電圧要件が分からない場合、X線管のメーカーまたはスペルマン ハイ・ボルテージまでお問い合わせください。

mAループ応答および大多数のX線管で動作するX線ジェネレーターの設計方法。

X線管には異なるフィラメント特性を有するものがあります。フィラメント特性が異なる場合、安定した放射電流出力を提供するには異なる制御応答が必要です。弊社の標準装置は、数多くのX線管で機能するように設計された放射制御応答を備えます。一部のX線管はこの範囲を外れており、カスタム放射ループ補償で安定した放射出力を確保する必要があります。現在ご使用のX線管についてはスペルマン ハイ・ボルテージにご相談ください。

弊社のkV、mA、フィラメントランプ速度に関する説明および、その理由は?

スペルマン標準製品は、多種多様なX線管と用途で使用するように設計されています。一部の用途では高速立ち上がり時間(2秒未満)を要求し、また別の用途では遅い立ち上がり時間が好まれる場合があるため、標準製品ランプは、ほとんどの要件と用途に適合する速度にデフォルト設定されています。たとえば、DXMはデフォルト5秒のkVランプで、2.5秒のフィラメントランプですが、調整が可能です。特定のX線管を使用する場合は、そのX線管のメーカーにランプ時間仕様要件について相談してください。

もちろん弊社でカスタマイズしてランプを遅くできますが、標準製品ランプをできる限り遅くさせるのが良いでしょう。

一部の用途では高速立ち上がり時間(2秒未満)を要求し、また別の用途では遅い立ち上がり時間が好まれます。標準製品ランプは、ほとんどの要件と用途に適合する速度にデフォルト設定されています。目的の用途に適合させるランプ速度のカスタマイズについてはスペルマン ハイ・ボルテージにご相談ください。
X線管に対してkVランプ時間を遅くすると、管全体への電圧配分を上手に制御できる可能性があります。フィラメントとmAランプを遅くすると、X線管フィラメントへのストレスを最小限にできます。お手元のX線管に対する推奨ランピングについてはX線管メーカーにご相談ください。

X線管は、耐用時間に限りがあるデバイスです。フィラメントの蒸発に伴い、時間経過で劣化します。電流が高くなるほど、蒸発が速くなり、管の寿命が短くなります。フィラメントへの電圧と電流の変化を遅くすると、ストレスが少なくなり、寿命が延びます。

ランプ時間を速くする例:

フィラメントリミットの設定点3.6A
プリヒート設定点0.0A
CH1 (黄色) mA 感電流モニター  
CH2 (緑色) kV モニター (1秒ランプレート)
CH3 (紫色) フィラメント電流モニター (3.6Aのフィラメントリミットまでのランプ時間750ms)
CH4 (青色) mA プログラムランプ (mAプログラム値の5%での1秒のホールド期間の後、1秒のランプ時間)

 

上の波形で確認できるように、ランプシーケンスを速くしても、X線管フィラメントにはmAランプが始まる前に放射電流に必要な温度を達成するだけの十分な時間がありません。これにより、フィラメント電流は最大フィラメントリミットまでランプし、数秒間そのレベルに留まり、この間にフィラメントは要求された放射電流に必要な温度に到達します。mA電流上昇はmAランプによっては制御されず、そのためわずかにオーバーシュートします。 

ランプ時間を遅くする例:

フィラメントリミットの設定点3.6A
プリヒート設定点0.0A
CH1 (黄色) mA 感電流モニター  
CH2 (緑色) kV モニター (10秒ランプレート)
CH3 (紫色) フィラメント電流モニター (3.6Aのフィラメントリミットまでのランプ時間22秒)
CH4 (青色) mA プログラムランプ (mAプログラム値の5%での30秒のホールド期間の後、5秒のランプ時間)

 

上の波形で確認できるように、kVランプの完了時、mAプログラムはプログラム済みmA値の5%までステップします。同時にフィラメントがゆっくりランプアップして、mA制御がコントロールを実施できるようになります。mA制御がコントロールに入り安定化すると、mAが最終プログラム値までオーバーシュートなくランプします。フィラメント電流が最大フィラメントリミットセットポイントの3.6Aまで到達することは決してありません。 

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