アプリケーションノート - 高電圧電源

Grounding for High Frequency Transients Due to Arcing Events.

AN-20

一点グラウンディングが電気システムをグランドするのに最善策であると勧められています。お使いの複雑なセットアップを簡略化して絵に描いてみると、一点グラウンディング システムが理に適っているように思えてくるのではないでしょうか。ただ実際の運用では色々な制限があり、一点グラウンディングが現実的ではないことも多いです。

加えて、一点グラウンディングはパスのインダクタンスや定在波が電圧低下の原因となるような高周波数下では効果がありません(例:アーク中に発生する高周波過渡電流)。また、システム設計者が制御できないような浮遊容量が、把握することの難しい代替パスを作ることもあります。

そうなると、実用的な一点グラウンディング システムを実施するのは不可能に思えます。それでもグラウンディングは行わなければなりません。では、どうすればよいでしょうか。しっかりとした低インピーダンス グラウンドパスは高周波数高電圧アーク放電により起こる問題に対応するのに望ましい方法です。

では、それを実際にどう行えばよいでしょうか?全てを可能な限りの接続でグラウンドします。そうです、多点グラウンド接続です。「では、グラウンド ループはどうするんですか?」とご質問をいただくかもしれません。一言で言うと、グラウンド ループを心配する必要はありません。二点以上のグランドがある場合、多点グラウンド システムとなり、唯一の現実的なソリューションはシステムのインピーダンスをできるだけ低くすることのみです。

これは様々な構造的金属部材を使用することによって達成されます。可能な場合は板金を使い、間隔をおかずにボトルで留めます。金属筐体を使用できない場合には、ケーブルを使うしかありません。この方法は、低周波以上ではグラウンディング ワイヤー、ケーブルおよびストラップではインダクタンスが大きくなり過ぎるという欠点があります。

つまり、疑問の余地のある「理想的な」グラウンディング トポロジーにこだわり過ぎることなく、実際に可能で且つ現実に効果が実証されている方法を取る方が良いのではないかと考えます。